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ドトール(株主優待)の株価が権利落ち後も上がった理由

ドトール(株主優待)の株価が権利落ち後も上がった理由
ドトール(株主優待)の株価が権利落ち後も上がった理由

今回は、ドトール・日レスホールディングス(3087)を例に、権利落ち後の空売り解消の値動きを狙う手法を解説します。信用残のデータを分析してシナリオを立てるトレード手法です。

2月、3月といえば、株主優待の季節です。特に2月は日用品や食品メーカー、サービス業の優待権利日が来るので、楽しみにしている個人投資家の方も多いことでしょう。ただ、株主優待銘柄で怖いのは、権利日を過ぎた後の株価下落です。従来の株式市場では、優待の権利日が過ぎた後に売ってしまう投資家が多く、株価下落の要因となっていました。

ところが、NISA制度が始まって以来、権利落ち後の値動きにも変化が現れています。信用売り残の解消に伴う、株価再上昇の値動きです。今回は、権利落ち後の株価回復を狙う手法を解説します。

  1. クロス取引で逆日歩発生
  2. 空売り相場を踏み上げる
  3. 空売り解消で利益確定

クロス取引で逆日歩発生

2月の株主優待の一つに、管理人もお気に入りのドトールコーヒー(3087)があります。株主優待の内容は、コーヒーギフトの詰め合わせです。投資資金に余裕があれば、現物買いと信用売りを組み合わせたクロス取引で優待のタダ取りを狙っていた銘柄です。

参考記事:両建てで株主優待のタダ取り

ところが今年(2015年)のドトールコーヒー。どうにも、両建てによる優待のタダ取りができそうにない状況にありました。空売りの増加です。信用残のデータを見てみると、優待権利日(2/24)の前後で信用売りの建て玉が増えすぎていたことが分かります。

ドトール(3087)株主優待権利日前後の信用データ
期日 信用売り残 信用買い残 逆日歩日数 逆日歩(円/1株)
2/27(金) 57,800 2,800 1 0.05
2/26(木) 94,500 2,600 1 0
2/25(水) 72,000 5,200 1 0.05
2/24(火)
権利日
317,600 5,200 3 2.25
2/23(月) 66,200 4,600 1 0.05
2/20(金) 10,300 17,400
2/19(木) 14,700 35,500

信用売り残が増えると、何が起こるか?

答えは、逆日歩の発生です。逆日歩が発生すると、例え売り買いの両建てをしても、逆日歩の支払い分だけトータルでは損失が出るのですね。結果、タダ取りにはならず、利子を支払って株主優待のプレゼントを「買う」手法になってしまいます。

信用売り残が増えていた理由は明白です。参加者の多くが”両建てで優待タダ取り”のクロス取引を狙っていたのです。両建てによる株主優待のタダ取りでは「現物の買い」と「信用の売り」を組み合わせます。「信用買い」の建て玉だけは全く増えません。全体で見ると「信用買い<<信用売り」の構図となり、逆日歩が発生するという寸法です。

空売り相場を踏み上げる

実は先日、同じように優待権利日を前にして信用売り残が積み上がった銘柄がありました。ビックカメラ(3048)です。こちらもドトールコーヒーと全く同じメカニズムで、優待のタダ取りが殺到して空売りの建て玉が積み上がりました。

2つ目の記事を読んで頂くと分かりますが、同じメカニズムでドトールコーヒーも権利落ち後の株価上昇が期待できました。実際、権利落ち日から3週間たった現在も、株価が上昇を続けています。以下のチャートはSBI証券から。

ドトールコーヒーは権利落ち後も株価上昇
ドトールコーヒーは権利落ち後も株価上昇

権利落ち後も株価が上がっている要因は、空売りの買戻しです。両建てをしていた投資家が、信用売りの建て玉を買い戻しているのです。優待取りのプレーヤーが取る行動は、2つの選択肢しかありません。トータルでは、空売りの買戻し圧力が高まります。

優待取りプレーヤーが権利落ち後に取る投資行動

優待のタダ取りをした投資家は、権利日の時点で「現物の買い」と「信用売り」の建て玉を持っていた。権利日を過ぎたいま、次に取ることができる選択肢は2つしか考えられない。

  1. 信用売りの元引き(信用売りを現物の買いで相殺する)
  2. 信用売りだけ決済(現物買いの建て玉はホールドする)

1.はクロス取引の解消のための現引き。いわゆるセオリー通りの方法。こちらは売買ではないので、株価に影響を与えない。

2.は逆日歩を嫌っての空売りの解消。もしくは、欲を出しての現物株だけのホールド。いずれも空売りの買戻しが行われ株価上昇の要因になる。

1.と2.を踏まえてトータルの需給要因を考えると、相場には買いの要因しか働かない。

株主優待が人気の銘柄では、上記の需給要因の影響が強く出ます。特に、優待の権利日を過ぎても株価が上がるようなら、買いポジションはホールドを続けたいのが人情です。結果として、空売りポジションばかりが解消されて、株価が上がったことが分かります。「空売り相場を踏み上げる」という訳です。

空売り解消で利益確定

株主優待の権利日を過ぎた現在でも、株価上昇を続けているドトールコーヒー。1ヶ月が経過しようという現在でも、空売りの買戻しが続き、株価は上昇を続けています。

管理人は、株主優待は狙わず、権利落ち後の空売り買戻しの値動きを狙って買い建てをホールドしています。仕込みは権利落ち後にストンと落とした所で拾いました。空売り相場を踏み上げを狙って、上昇トレンドを期待したのです。実際問題、その目論見が当たって、あまり大きくはない利益ですが、建て玉は含み益が増え続けています。

ドトール(3087)株主優待権利日後の値動き
ドトール(3087)株主優待権利日後の値動き

権利落ち後の株価下落を拾うタイミングは、出来高を見て決めました。出来高が急増したので、下落トレンドがすぐ終わると考えたのです。出来高によるトレンドの転換については、以下の記事を参考にしてください。

記事:取引高急増でトレンド転換を読み解く

最後の課題は、決済のタイミングです。株主優待は、また来年の2月までありませんし、他には買いの材料もありません。空売りの解消が終われば、株価の上昇が続くとは思えません。と言う訳で、利益確定のタイミングは、空売りの建て玉が解消されたところがポイントです。

3月中旬の現在でも、信用比率が10倍超のまま逆日歩が続いています。まだ、利益確定には早い所でしょうか。利益確定のタイミングは逆日歩が解消されるタイミングです。信用比率が、1倍程度にまで落ち込んだら頃合でしょうか。材料出尽くしで株価は頭打ちとなるまで、まだ上値の余地は残っていそうです。

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