今回は個別銘柄を扱うCFD会社「IGマーケッツ証券」を使って、貸借銘柄以外でも空売りをする方法を紹介します。
先日、中国発の世界同時株安により、日経平均も大幅に下落しました。このような局面では、当然空売りが有利。ただ、通常の株式売買では空売り規制が掛かって、新規建てができない銘柄が散見されます。その場合でも個別株CFDを使えば空売りが可能な状況が生まれます。
空売り規制をかいくぐるメリットはいくつかあります。以下に内容をご紹介していきましょう。
- 個別株CFDとは
- 空売り規制とCFD
- CFDでも逆日歩は発生
個別株CFDとは
最初に個別株CFDの説明から入りましょう。CFDとは差金決済取引の通称です。一定の預入金をCFD会社に預け入れることで、日経225の指数取引や商品先物の売買が可能になります。FXと言えば馴染みのある方も多いでしょう。FXというのはCFDの一種で、特に外国為替に限って売買するものを指します。
多くのCFD会社では、日経225のインデックス商品や、金・原油といった先物などの金融商品を扱っています。基本的にCFDと言えば、このような「インデックスもの」「指数売買」を扱う取引を指すようです。ただ、一部のCFD会社では、個別株も売買することが可能です。もっとも、具体的にはIGマーケッツ証券しか管理人は知りません。管理人は口座を持っています。
個別株CFDが通常の株式売買と異なる点はいくつかあります。ざっと特徴を以下に挙げます。
- 取り纏めがCFD会社(東証ではない)
- レバレッジが利く(現物株という概念がない)
- 全ての銘柄を売買できる訳ではない(主に東証一部銘柄)
- 貸借銘柄でなくても空売り可能
- 一単元が細かい(値がさ株でも小量を取引可能)
CFDは、基本的にCFD会社が売買を取り仕切る方式。いわゆる相対取引です。ただ、当然ながら株価は東証のそれに連動します。おそらくバックグラウンドでCFD会社の持ち株を売買して、帳尻を合わせているはずです。大筋で言えば、証券会社を通じて取引する株式売買となんら変わりがありません。
細かい部分では、株式の売買と異なるポイントがいくつかあります。これこそがCFDを利用する利点になります。使い方を後述します。
空売り規制とCFD
CFDを利用する利点としてひとつ挙げられるのは、空売り規制の掛かった銘柄や、そもそも貸借銘柄でない個別株であっても、売りの新規建てができる点です。株価大暴落が起こったときに、このルールは重宝します。
例えば、現在空売り規制のトリガーに抵触している個別銘柄は、ざっと120超。そんな銘柄でも、CFD会社の取り扱いさえあれば、なんら問題なく空売りが可能です。空売り規制に掛かっているということは、当然、売り込まれている訳で、売りの順張りをしたい場合には規制が障害になります。
加えて、そもそもが空売りできない銘柄。具体的には信用銘柄でしかない(貸借銘柄でない)場合。通常の株式売買では、東証が「貸借」の指定をしないと空売りすることができません。東証一部上場であっても、空売りができない銘柄は結構あります。そんな銘柄であっても、CFD会社に取り扱いさえあれば、売り建てが可能です。
IGマーケッツ証券の取り扱いを例に出すと、ほとんどが東証一部銘柄です。逆に言えば、その規模の銘柄であれば、空売り規制はないに等しいでしょう。CFD会社を通じて売買すれば、通常は不可能な空売りが可能なケースが結構あります。
CFDでも逆日歩は発生
空売りができるメリットばかりを述べてきましたが、通常の売買にも存在するリスクもあります。逆日歩です。特定の銘柄に空売りが集中し、日証金が貸し出す株式が枯渇してくると、通常売買の空売りでも逆日歩による支払いが発生します。CFDの場合は「調整金」という名目で徴収されます。
空売りが可能であると言っても、信用比率は確認する必要があるでしょう。この点は、株式売買であってもCFDトレードであっても、空売りをする場合は変わらぬリスクです。そもそも「逆日歩に売りなし」という位ですから、トレードに勝つ見込みも少ないことですしね。
余談になりますが、CFD取引でも配当金の受け取り、支払いが発生します。この場合も、同じく「調整金」が発生しますね。配当落ちを狙って空売りを仕掛けた場合、通常売買でもCFDでも、配当金相当の支払いが発生する点は変わりがありません。
逆の言い方をすれば、それ以外はうまくルールの抜け道を探ることができるという訳です。次回は、CFDならではのメリットを使ったトレードアイデアをいくつかご紹介しましょう。
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