TOPIX買いで小判ザメ投資法

TOPIX買いという株式イベントをご存じでしょうか?TOPIX買いとは、機関投資家の運用するTOPIX連動ファンドが採用銘柄を買い付けることです。東証一部に新規に指定された銘柄は、このTOPIX買いの対象になります。これに乗じて利益を出す手法が存在します。小判ザメ投資法です。

ここでは、TOPIX買いの説明と小判ザメ投資法の基礎知識を解説していいこうと思います。内容は以下の通りです。

  1. TOPIX買いと小判ザメ投資
  2. TOPIX買いの特徴
  3. TOPIX買いのタイミング
  4. まとめと注意点

TOPIX買いと小判ザメ投資

TOPIX買いとは、機関投資家が行うパッシブ運用に伴いTOPIX採用銘柄の買い付けが行われることです。

機関投資家は、2種類の運用方法を取ります。アクティブ運用とパッシブ運用です。アクティブ運用というのは、文字通り有望な銘柄を選定して、積極的に買い付ける運用方針です。我々、個人投資家の買い付けと大筋では変わりません。

パッシブ運用というのは、株式指数採用銘柄を機械的に買い付ける手段です。機関投資家は、TOPIXや日経平均の株式指数に連動するポートフォリオ・ファンドを独自に組んでいることがあります。TOPIX連動ファンドを組むのであれば、TOPIX採用銘柄をすべて買い付ける必要があります。このTOPIX連動ファンドを組み、機械的に株式を買い付ける運用方法をパッシブ運用といいます。

TOPIX買いというのは、先に示したパッシブ運用に伴い、機関投資家が、特にTOPIX銘柄を買い付ける際に用いる俗称です。機関投資家は投入資金の金額規模が大きいため、チャートにかなり不自然な動きが出ます。これを知っている人は、市場でTOPIX買いが行われると、すぐにそれと気付きます。

このTOPIX買いで生じる株価の上昇に乗じて儲ける投資手法が知られています。いわゆる「小判ザメ投資」と呼ばれる手法です。以下には、小判ザメ投資を行うための基礎知識を解説します。

TOPIX買いの特徴

まず、小判ザメ投資法の手法を解説する前に、TOPIX買いの特徴を語らねばなりません。TOPIX買いは多くの場合、月末に行われます。TOPIX買いの対象となった銘柄は、特定の日に株価が少なくとも3~5%、不自然な形で一方的に上昇します。

一方的に上昇するといってもパターンは様々で、前場から徐々に買われるケースもあれば、引けにドーンとチャートが跳ね上がるケースもあります。ただ、いずれのケースにも言えることは、通常のチャート分析では予想できない人為的な買いが突如生じる点です。一部の投資機関が一日に集中して大量の買い付けを行うため、チャートに不自然な動きが生じます。

買い付けの対象となるのは、TOPIXに新規に組み込まれた銘柄です。マザーズなどから東証一部指定に鞍替えした銘柄がこれに当たります。東証一部に指定された銘柄は、翌月の受け渡し最終日からTOPIX指数の算出に寄与するためです。投資機関がTOPIX連動ポートフォリオを運用するには、新規の東証一部指定銘柄も買い付ける必要があります。

東証一部指定銘柄が発表されると、この手の思惑が働き、多くの場合は買いの材料となります。その思惑に乗るタイミングが1回戦とすれば、小判ザメ投資は2回戦です。実際の投資機関の買い付けのタイミングを狙っていきます。

TOPIX買いのタイミング

さて、投資機関は一体いつ、TOPIX新規採用銘柄を買い付けるのでしょうか?

TOPIX買いに乗じて買いを入れるには、機関投資家が買い付けを行うタイミングを知らねばなりません。機関投資家が、そのタイミングを公開していれば簡単な話です。過去には、ほとんど公然の事実として買い付け日が知られていた頃もありました。

しかし、TOPIX買いの存在が知られている現在、残念ながら買い付け日は非公開です。ですので、以下は管理人の個人的な経験則に基づく考察です。

機関投資家は多くの場合、月末にTOPIX買いを行っているようです。特に可能性が高い日が、以下の2日です。

  • 毎月25日
  • 毎月の受け渡し最終日

あくまで個人的な市場観察の結果ですが、この2日に買い付けが行われる傾向が強いように思います。25日は「ごとう日」のひとつなので区切りの良い所です。同じく、月末の最終受け渡し日に現物買いを行うと、配当・議決権等の権利が翌月から発生するので、機関投資家にとっては都合が良さそうです。なお、最終受け渡し日というのは、月初の営業日から3営業日前の日にあたります。

上記の考察を鑑みると、我々の投資のタイミングとしては「25日までに買い入れ、月初までホールド」という方針が良さそうです。この間に大幅な株価上昇があれば小判ザメ投資成功です。ちなみに、実際の買い付けを行っているのは投資機関から委託された大手証券や信託銀行です。しかし、その実働部隊にも、買い付け日間近までは予定が知らされないようです。この点、買い付け日に関してはトップシークレットであることが伺えます。

まとめと注意点

以上の内容をまとめます。

  • 機関投資家の行う運用には、アクティブ運用とパッシブ運用がある。
  • 投資機関がTOPIX連動ファンドの運用のために、新規の一部指定銘柄を買い付ける。
  • TOPIX買いのタイミングは月末25日~最終受け渡し日あたり。
  • 上記の機関投資家の買いに乗じて、株価上昇を見込むのが小判ザメ投資法。
  • 新規の東証一部指定銘柄が出たら小判ザメ投資のチャンス。先回り買いを考えよう。
  • あらかじめ買いを建てておき、上記期間にその銘柄が上昇したら大成功。

ただし、これらは基礎知識でいくつかの注意点とリスクもあります。

1つ目は、TOPIX買いが行われない可能性です。機関投資家にも何らかの事情があるようで、東証一部に指定されたからといって、その銘柄が買われる可能性は100%ではありません。

2つ目は、銘柄の選定です。4月~5月は東証一部指定が相次ぎ、複数の銘柄が新たにTOPIXに採用されます。全ての新規採用銘柄を買うのはナンセンスです。

また、東証一部に指定されても、不動産銘柄は投資期間側ではTOPIXファンドではなくJリートファンドで運用されるケースがあります。この場合も買い入れのタイミングが変わるので、注意が必要です。

3つ目は一番重要で、TOPIX売りの可能性もあることです。TOPIXに新規採用されても、すでに投資機関で保有している場合、調整のための売りが出ます。

最後の二つに関しては、買い入れインパクトを計算することで、対策を立てることができます。選定のコツは、別途記事に記載しようと思います。

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  1. 2019年 3月 17日

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