今回は、ウィリアム・J・オニールのチャート分析における「ディストリビューション」の意味を解説しようと思います。
調子の良かった株式銘柄が、ある時突然に崩れた。実は、その下落の前には予兆があったかも知れません。その予兆を示す分析手法がディストリビューションという方法なのです。ディストリビューションがチャート上に現れると85%の確率で暴落が起きるとオニールは言います。
今回は、具体的なチャートの形を示しながら解説を加えていこうと思います。
- ディストリビューション(売り抜け)の日とは
- 暴落前にディストリビューションのあった例
- 今日の例題と教科書
ディストリビューション(売り抜け)の日とは
最初に、株式チャートにおける「ディストリビューション」の意味を解説しましょう。ディストリビューションとは、投資家のウィリアム・J・オニールが著書で触れている分析手法で、以下の状態を指します。
- 株価が上がっているのに出来高が下がっている
- 株価の下落に伴い出来高が増加している
特に後者の場合は「チャーニング」とも言いますが、ここでは2つをひっくるめてディストリビューションと呼びましょう。具体的に4本足で図示すると以下のようになります。
さて、このディストリビューションの日が続くと株価の暴落があるとオニールは言います。果たして、それは事実なのでしょうか。具体例を示しながら、解説を加えたいと思います。
暴落前にディストリビューションのあった例
この例は、以前も紹介したイギリス国民投票の例です。ご存知の通り、イギリスでは国民投票の結果、EUを離脱することが決まりました。その結果に市場は大きなサプライズを受け、世界中の株価が下落したのです。
その大幅下落の前にも、ディストリビューションの日が確かに出ていました。実は、国民投票の前から暴落の予兆は出ていたのです。以下のチャートをご覧ください。ディストリビューションの日に赤丸で印をつけてみました。
上記の通り、イギリス国民投票の前から既に日経平均株価は失速していたのです。この失速(オニール曰く「ストーリング」)が起きると、85%の確率で暴落が起きるといいます。オニールが著書を書いた当時の85%ですから、現代でも同じとは言い切れません。ただ、管理人の手法にはきっちりと組み込まれ、売りのタイミングを図る指標として使わせてもらっています。
なにやら日経平均に怪しい動きがあるとのつぶやきを見かけたので分析してみました。日経平均のチャートにストーリングが出てますね。ウィリアム・オニール流の空売り分析手法です。
以下の記事はご参考。https://t.co/xuCMiHmvHV
— 日曜2限の株式講座 (@sunday_investor) 2018年3月18日
上記のtwitterつぶやきは、2018年3月に日経平均900円の暴落が起きる直前のものです。普段はまったり進行ですが、こういうときは管理人なりにエビデンス作りに励みますね。キッチリ空売りで儲けさしてもらいました。
今日の例題と教科書
という訳で、今日の例題です。先ほど示した日経平均の暴落前にもきっちりディストリビューションの日は出ていました。以下のチャートは、暴落前6ヵ月の日足チャートです。どこら辺からストーリングが起きているか、ちょっと確かめてみてください。
以上、オニール流の空売りテクニックを解説してみました。今日の教科書はやっぱりこの人、ウィリアム・J・オニールです。管理人が好きな投資家の一人ですね。興味のある方は、ご購入あれ。
オニールの空売り練習帖 (ウィザードブックシリーズ) | ||||
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