株主優待に人気がある銘柄というのは、往々にして権利日が近づくと株価が上がる傾向にあります。今回は、そんな優待銘柄特有の特徴とチャート形成のパターン(アノマリー)を利用した取引手法をご紹介します。
- 株主優待銘柄の上昇を利用した投資手法
- 優待アノマリーのある銘柄
- 優待銘柄買いのコツ
- 権利確定のコツとまとめ
株主優待銘柄の上昇を利用した投資手法
みなさんは、株主優待はご存じでしょう。企業の株式を保有している場合、議決権や配当の権利と一緒に、投資家へのサービスであるプレゼントがもらえることがあります。
銘柄によっては、このプレゼントが大変人気があり、株価を上げる要因になります。ここでご紹介するのは、その株価上昇のアノマリーを利用した投資手法です。
優待銘柄のアノマリーとは、以下の通りです。
- 食品・雑貨の株主優待は2~3ヶ月前から上昇を始める
食品・雑貨に優待を絞ったのは、このカテゴリの株主優待が人気があるからです。そして、権利日が近づくにつれ、優待目当ての個人投資家が現物株を買いにきます。結果、株価が上昇するという訳です。
単純な話、2~3ヶ月前にめぼしい優待銘柄を買い、権利確定日の1ヶ月前に売り抜けるだけで利益が出ます。利益の目処は3%~5%というところでしょうか。利益は少ない代わりに、確度が高い手法となっています。
- 人気のある優待銘柄は2~3ヶ月前から株価上昇を始める
- 権利日1ヶ月前~権利までが頭打ち
- 権利日を過ぎた日から株価は下落
- 株主優待銘柄は2~3ヶ月前から上昇を始める。
- 人気のある銘柄は食品・飲食サービス・雑貨。
- 優待3ヶ月前になったらチャートを確認。
- 移動平均線がゴールデンクロスを描いたら買い。
- 利益確定の時期は1ヶ月前を目安に。
- 毎年、人気の出る銘柄は決まっている。自分だけのお宝銘柄を探そう。
優待アノマリーのある銘柄
繰り返しになりますが、アノマリーが利く銘柄は、主に食品関係と雑貨です。特に食品関係は、食品ギフトに加えて飲食業の優待券が人気が出る傾向にあります。
例えば、有名所が壱番屋(7630)です。言わずと知れたカレー屋「CoCo壱番」を運営する会社です。株主優待は飲食優待券となっています。以下は、2014年2月1日~5月30日のココ壱のチャートです。
ご覧の通り、権利日の近づく2月頃から株価が徐々に上がっています。株主優待の権利確定日は、5月末です。上昇開始の時期は、優待権利確定日の3ヶ月前にあたります。この時期から、証券会社のニュースを始めとする情報を仕入れた個人投資家が買いを始めたことが伺えます。
逆に、権利確定日が近づくと株価は頭打ちになります。これは、投資家がつなぎ売りを始めることに起因すると考えています。一般に、株主優待銘柄は権利日を過ぎると株価が大幅に下落する傾向にあります。権利をもらって売り払おうという投資家が多いためです。この株価下落を懸念して、あらかじめ空売りを利用した両建てにしておく投資家もいるのです。この手法については、株主優待のタダ取りの記事に詳しく書きました。
まとめると、株主優待のアノマリーは以下のようになります。
優待銘柄買いのコツ
アノマリーというのは、あくまで傾向であって絶対ではありません。そこで、アノマリーをうまく利用するためには、一歩踏み込んで銘柄の同行を分析する必要があります。
といっても、難しい話ではありません。優待銘柄は多くの場合、基礎的なチャート分析を知っていれば思惑通りに動いてくれる傾向があります。ここでは、簡単なチャート分析のコツをご紹介します。
利用するのは、移動平均線です。移動平均線とは、特定期間の株価の平均値を追った指標で、どの証券会社のチャートソフトでも表示できます。
この移動平均線が、上から5日・25日・75日(もしくは50日)に並んでいる銘柄が買い時です。5日移動平均線は短期的な上昇を示し、25日平均線は中期的なポジションの取得単価を示しています。5日平均線が25日平均線を上抜けたということは、短期的に上昇が始まったことを示します。いわゆる移動平均線のゴールデンクロスを描いている銘柄を狙う訳です。
移動平均線のゴールデンクロスは、ごく基礎的なチャート分析の手法です。株価が上昇する銘柄の定石の形ではあるのですが、すべての銘柄の中から探し出すのは困難を伴います。しかし、優待銘柄のチャートを2~3ヶ月前に調べると、このゴールデンクロスを描いていることが多々あります。ゴールデンクロスやその前兆を見つければしめたもので、上昇が始まる所を狙って買いに行きます。あとは、アノマリーが成立することを願うだけです。
権利確定のコツとまとめ
権利確定は難しい所で、個人の技量に左右されます。これは優待銘柄に限ったことではありません。相場で最も難しいところと言われています。また、年によって株価がピークとなる時期も変わってきます。
ただ、いずれにせよ権利確定日1ヶ月前から注意が必要です。本年2014年は株価のピークが過ぎるのが早く、権利確定日1ヶ月前で頭打ちとなる傾向があります。一方で、例年は権利確定日まで上がり続けることもあります。
筆者の個人的な方法論としては、権利確定日1ヶ月前に売ってしまうという見切りの良いトレードをオススメします。なぜなら、その頃には、翌々月の優待銘柄が上昇を始めるからです。株価上昇のピークまで粘ってもよいのですが、次の銘柄の立ち上がりを逃すと相場に入りづらくなります。個人的には、株価上昇の初期を狙うトレードが好きです。
むしろ、利益を出すコツは銘柄選定の方にあります。例年、人気の出る銘柄は決まっていて、それを知っているかどうかの方が重要です。この点、今後記事にしてみましょうか。
以上の内容をまとめます。
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