株式PERの計算と利用方法

株式の割安の具合を示す数字として、PERは多くの場面で使われます。有用な指標ではありますが、具体的な計算方法や利用方法はなかなか分かりづらいものです。

ここでは、PERの計算式、四季報を利用した計算例、そして利用方法を解説していきたいと思います。内容は以下の通りです。

  1. PERと計算式
  2. PERの具体的な計算
  3. PERの数字が変わるとき
  4. PERの利用法

PERと計算式

株価の割安感を判断する目安として、PERという指標があります。一般的に、以下の式で定義されています。

PERの計算式(1)

予想PER=株価÷(予想純利益÷発行株式数)

この式は、1株当たりの株式指標を用いた表現方法です。以下の関係式を使うと、会社全体の財務状況を使って表すことができます。

PERの計算式(2)

株価×発行株式数=会社総資産

予想PER=株価÷(予想純利益÷発行株式数)
   =(株価×発行株式数)÷予想純利益
  =会社総資産÷予想純利益

どちらの式を使っても、計算結果は同じです。記載媒体によっては式の表現方法が異なる場合もあります。また、来期の予想利益を利用して計算したので、ここでは特に「予想PER」と銘打っています。純利益の数字に、当期純利益を利用する場合もあります。いずれか計算しやすい式と目的に合わせて利用すればいいと思います。

ただ、一般的に手に入れやすい数字を考えると、冒頭の(1)式が最も使いやすいと考えます。以下では、冒頭の式を使って計算を進めていきます。

PERの具体的な計算

ここでは、具体的な例を使ってPERを計算したいと思います。例に挙げるのはマツダ(7261)です。車好きなら必ず知っている自動車メーカーで、個人投資家に人気があります。

2014年4月の時点で、株価は429円です。さらに計算に必要な使う数字を、四季報で調べます。必要な数字は、今期の予想純利益と発行株式数です。四季報に載っている財務状況を加えると、計算の材料が以下の通り揃います。

マツダ(7261)の決算情報
  • 株価:429円
  • 営業利益:190,000百万円(2015.3予想)
  • 発行株式数:2,999,377千株(2014.1.31時点)

単位に注意してください。四季報は財務の表現基準を採用しています。そのため、営業利益は、百万円単位で示されています。同じく、発行株式数も、この場合は千株単位で記載されています。

さて、上記の数字を使ってPERを計算してみましょう。分かりやすくするために、あえて計算過程を詳しく書きます。

株価PERの計算過程

予想PER=株価÷(予想純利益÷発行株式数)
   =429円÷{(140,000×1,000,000)÷(2,999,377×1,000)
  =429÷(140,000×1,000,000÷2,999,377÷1,000)
  =429÷(140,000×1,000,000÷2,999,377÷1,000)
  =429÷140,000÷1,000×2,999,377
  =429×2,999,377÷140,000÷1,000
  =9.19

上記の通り、予想PERが計算できました。ここで出た数字は2015年の営業利益予想を利用して計算したものです。PERは計算に利用する営業利益の予想時期によって、計算結果が異なります。

PERの数字が変わるとき

ここで、もう一度PERの計算式を見返してみましょう。

予想PER=株価÷(予想純利益÷発行株式数)

計算に利用する数字は以下の3つです。

  • 株価
  • 予想純利益
  • 発行株式数

これらの数字は、日々変わりうるものです。株価は日々変動するので、PERの数字も日々変化します。取引ツール等で示されるPERの値も、多くの場合、日々更新されています。

PERが大きく変化するタイミングは、決算の時期です。当期純利益と予想純利益が更新されるからです。これらの数字は、3月もしくはその周辺の決算発表で公になります。これにより、短期的にPERの値が変化します。

発行株式数についても同様です。発行株式数は、自社株買いや分売・公募増資によって大きく変化します。これらのイベントで株価が上下する理由を、PERの観点から説明することもできます。

PERの利用法

最後に、応用例を示して理解を深めたいと思います。

PERの計算式を書き換えると、理論株価の算出式を作ることができます。

理論株価の計算式

株価=予想純利益÷発行株式数×予想PER

この式を観ると、利益の情報修正や発行株式数の増減で株価が動く事態を理解しやすくなります。

例えば、予想純利益が上方修正された場合です。式を見ると株価は予想純利益に比例しますから、利益が上がれば株価も上がります。

それだけであれば当然ですが、さらに応用を加えて株価の目安を計算することもできます。利益が上がっても、発行株式数は上がりません。また、PERは短期的には上がりますが、多少長い目で見ると元の水準に落ち着きます。

つまりは、純利益と株価は大ざっぱに見て比例する関係にあることが分かります。利益が20%増しになれば、株価も20%増しとなります。これを利用して、利益に上方修正があった場合の株価目安を算出することができます。

立ち会い外分売や自社株買いで発行株式数が変化するときも同じ考え方が通用します。PERの計算方法を知っていると市場の理解が深まり、売買の判断がしやすくなる例が多々あります。

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