10月最終売買日にTOPIX買いがなかった件
- 2014/11/1
- 相場日記
- TOPIX買い, 小判ザメ投資法
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10月最終売買日にTOPIX買いがなかった件
従来、毎月の最終売買日には機関投資家によるTOPIX新規採用銘柄の駆け込み買いがあるのが通例でした。しかし、先日2014年10月28日の株式の最終売買日。どうにも、TOPIX買いが行われた気配がありませんでした。以前の記事「TOPIX買いがアトランダムになった件」でも書いたように、もしかしたら年金筋(GPIF)の買い方が変わってきたことを示唆する出来事です。
今回は、GPIFによるTOPIX買いの実態と、TOPIX買いの特徴を交えながら、深堀して考察を加えてみましょう。
- 月末のTOPIX買いがなかった件
- 今回のTOPIX買いが特別な理由
- GPIFによる現物株買い付けの実態
- 特例か今後も継続か
月末のTOPIX買いがなかった件
10月のTOPIX買いの対象となるのは、9月の東証一部指定銘柄です。TOPIX指数の算出基準に照らし合わせると、これらの銘柄は翌月末からTOPIX構成銘柄に加わります。TOPIX指数は、GPIFをはじめとした機関投資家の重要なベンチマークになります。そのため、TOPIX指数に新規に加わった銘柄は、機関投資家に買われる傾向があります。
機関投資家の買いのタイミングは、新規構成銘柄に加わる翌月最終売買日です。10月28日。2014年は、この日が同月の月末最終売買日でした。従来の傾向に乗っ取れば、最終売買日は高確率でTOPIX買いが行われるはずの特別な日でした。
参考記事:TOPIX買いで小判ザメ投資法
しかし、以下のチャートを見てください。管理人が使っているYahooポートフォリオのキャプチャ画面です。

10月のTOPIX買い候補銘柄
ご覧の通り、ほとんど値動きがありませんでした。クイックやサイバーエージェントなどは、今回のTOPIX買いで目玉になるはずの大型銘柄です。この規模の銘柄であると、TOPIX買いが行われれば少なく見積もって3%は価格が上がります。しかし、ご覧の通り、値動きはその大きさにほど遠い水準で引けました。つまり、TOPIX買いはなかったと言い切れる訳です。
ポートフォリオに登録されている銘柄は、全て9月の東証一部昇格銘柄です。米FOMC(米金融政策会合)を控えていたこともあり、全ての銘柄において値動きがありませんでした。残念ながら、10月の月末最終日は、小判ザメ投資家の期待が不発に終わりました。
今回のTOPIX買いが特別な理由
では、2014年10月は、GPIFはTOPIX買いを行わなかったのでしょうか。答えはNoです。実は、月初にTOPIX買いが行われた形跡があります。以下の記事を読んでみてください。
参考記事:GPIFのTOPIX買い日がアトランダムになった件
上記の記事に書いた通り、10月は8日にどうやらTOPIX買いが行われた傾向があります。従来は、月末付近で日程がずれることはありましたが、月初に買ってきた事例は記憶にありません。
問題の本質は、ここにあります。つまり、TOPIX買いの日程がアトランダムになっている点です。従来であれば、月末にTOPIX新規構成銘柄を保有していれば、利益を出せる一つの手法がありました。しかし、今後、買いの日程をランダムにされると、こちらも買いのタイミングに悩みます。
とりあえず、TOPIX新規構成銘柄を安値のタイミングで買っておけば、優位なトレードをすることは可能でしょう。ただ、従来は可能であった月末のピンポイントのタイミングを狙って利益を出すことは難しくなるかもしれません。
GPIFによる現物株買い付けの実態
TOPIX買いのタイミングがずれた件について、一つ重要なヒントになる事柄があります。それは、実質的に資金を運用する投資機関に、なにがしかの変化があったであろうことです。GPIFが年金資金の運用比率を株式に振り向けるというニュースは、最近ではよく知られることです。ただ、実務的に、どのような資金運用をしているかという事情は、一般にはあまり知られていないのではないでしょうか。
GPIFの年金資金は、同機関が運用指図をしていることは確かです。ただ、実質的に買い付けを行っている機関は別にあります。一般の証券会社や信託銀行です。どの証券会社がどの程度の運用資金を任されているのかは分かりません。ただ、GPIFと特定の投資機関の間には買い付けに関する包括的な契約があるようです。加えて、GPIFが特定の日に特定量の買い付け指示を行い、投資機関がそれに従って買い付けを行うという実務を担っているようです。
GPIFと投資機関の契約に、何か変化があったのではないか?
これが、管理人の推測するTOPIX買いがアトランダムになった理由です。従来は、慣例的に月末の買い付けを指示してきたGPIFが、より細やかな期日指定を始めたのか。はたまた、運用指図をやめ、一般の投資機関に運用を委託したのか。いずれにせよ、GPIFの運用ポートフォリオで株式の比率が高まる見通しを受け、なにがしかの準備を始めたと考えるのが妥当な所だと考えます。
特例か今後も継続か
TOPIX買いの日は、今後もアトランダムが続くのか、それとも、恒例の月末買いに戻るのか。冒頭に述べた通り、この点は、小判ザメ投資家にとって、非常に重要な問題です。
おそらくは、しばらくアトランダムな傾向が続くと管理人は見ています。少なくとも、国会で年金資金の株式運用比率を議論している間は、GPIFは気を引き締めねばなりません。惰性や慣例で、月末買いを続けることはないでしょう。海外投資機関が気づいたら、格好のカモにされてしまいます。もしかしたら、株式運用比率の増加に従って、GPIF内では根本的なルール変更をするかも知れません。
これに伴って、小判ザメ投資家も追随せざるを得ません。新規建てルールの変更です。過去にも、このような変化の時期がありました。過去の小判ザメ投資が現在では通用しないように、今までのルールが通用しなくなる時期が来たのでしょう。柔軟に投資手法を買えていく必要があると考えます。
強いものが生き残ったのではない。賢いものが生き残ったのでもない。適応したものだけが生き残ったのだ。チャールズ=ダーウィン
この言葉は、相場の世界でも変わらぬ真理であると思います。
コメント
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始めましてこんにちは、岡田と申します。
トピックス組み入れの記事、大変勉強になりました。
2つ質問なのですが、
1つは、2014年10月5日は日曜日かと思うのですがどうなのでしょうか?
もう1つは、「先日2014年10月28日の株式の最終売買日」と書いてありmすが、10月は31日が金曜日なのでその前日30日の木曜日が最終売買日ではないのでしょうか?
間違ってたらすみません。ちょっと混乱してしまったもので・・・
岡田さん
コメントありがとうございます。
>10月5日は日曜日
すいません。その通りです。
リンク先の記事を見てもらうと分かる通り、正しくは8日ですね。
どうやら、テンキーをタイプミスしたようです。
>最終売買日
こちらもリンク先の記事を読んだ前提で、はしょって書いています。
正しくは「現物株の最終受け渡し日」です。
最終営業日から3日前がこの日に当たります。
株主優待の権利日になる日ですね。
ちなみに、今月11月もTOPIX買いは「最終受け渡し日」にはありませんでした。
変化を見極める必要がありそうです。
ご回答ありがとうございました。
私はたまたまGMOクラウドを持ってまして27日の引け間際に大きく上がったのでこれがTOPIX買いなのか!?って思って喜んで大引け決済してました(^^)で、嬉しくなってトピックス買いについて色々検索しててガッツさんのブログを見つけて勉強させていただいたところでした。
もう1つだけ質問させてください。 何か証券会社とかの発表データとかでトピックス買いがあったとか無かったって判るものなのでしょうか? それともチャートを見て投資経験とかで判定するものなのでしょうか?
GMOクラウドは確かに10月の一部指定銘柄ですね。この点、確かにTOPIX買いの候補です。ただ、11月はTOPIX買いはなかったように思います。理由は、同じく10月の一部指定銘柄であるCEホールディングス(4320)、フォーバル(8275)など銘柄で値動きがなかった点です。管理人は、フォーバルで失敗しました。
GMOクラウドが上がったのは、衆院解散のためでしょう。ネット投票のシステムを受注する業者で本命になっています。管理人もチェックしている銘柄ですが、値動きそのものが大きいようです。
ちなみに、TOPIX買いの発表データというのは存在しませんね。建前でも年金筋がポートフォリオの手の内を明かすようなことはしないでしょう。TOPIX買いと言うのは、小判ザメ投資家の間で経験的に知られている現象です。ご質問にお答えする形では、「投資経験で判定する」が正しい選択肢でしょうか。
もっとも、TOPIX買いは奇異な値動きが特徴的です。パターンとしては、以下のようなものがあります。
1.前場から高値張り付きっぱなし。
2.引けに掛けて、下落。
3.後場から、上昇の一途。
4.材料がないのに、日足チャートで買うところではない日に大幅買い。
ちなみに、2.は今回の岡田さんのような取引が多いために起こります。個人投資家の利益確定ですね。
TOPIX買いは、パターン分類して記事で紹介したいのですが、如何せん、肝心のTOPIX買いを掴むことができない状況が続いています。