四季報発売!東証一部昇格銘柄を予想する【2018年秋版】

四季報秋号で東証一部昇格を予想

四季報2018年秋版が発売されました。今回は最新データを見ながら東証一部昇格銘柄を予想していこうと思います。

四季報と言えば投資の基本です。その四季報を見ると東証一部昇格の期待が掛かる株式銘柄を絞り込むことができます。管理人のお気に入りは四季報CD-ROM版です。スクリーニング機能が強力で、東証一部昇格条件に沿って期待銘柄を絞り込むことができるのです。

今回はスクリーニング結果からさらに思案した管理人の昇格予想を行ってみたいと思います。当たるも八卦、当たらぬも八卦。それではご覧ください。

  1. 昇格条件をスクリーニングで絞り込む
  2. 2018年秋の昇格条件一致銘柄(マザーズ市場)
  3. 管理人が手堅い期待銘柄を予想
    • 串カツ田中ホールディンクス(3547)
    • エイトレッド(3969)
    • 大泉製作所(6618)
  4. 昇格予想は気長に待つ投資法

昇格条件をスクリーニングで絞り込む

最初に銘柄予想の手順をご紹介していきましょう。管理人の場合、東証一部の指定条件を元にして期待銘柄を絞り込んでいます。指定条件というのは、東証一部に昇格するためにクリアしなければならない基準のことを指します。株主数や流動性が主要事項となっています。

  1. 株主数(指定時見込み) 2,200人以上
  2. 流通株式等(指定時見込み)
    1. 流通株式数 2万単位以上
    2. 流通株式時価総額 20億円以上
    3. 流通株式数(比率) 上場株券等の35%以上
  3. 売買高 申請日の属する月の前の月以前3ヶ月間及びその前の3ヶ月間の月平均売買高が200単位以上
  4. 時価総額(指定時見込み) 40億円以上
  5. 純資産の額(指定時見込み) 連結純資産の額が10億円以上
  6. (かつ単体純資産の額が負でないこと)
  7. 利益の額又は時価総額
    (利益の額については、連結経常利益金額に少数株主損益を加減)
    次のa又はbのいずれかに適合すること

    1. 最近2年間の経常利益の合計5億円以上
    2. 時価総額が500億円以上
      (最近1 年間における売上高が100 億円未満である場合を除く)
  8. 虚偽記載又は不適正意見等
    1. 最近5年間の有価証券報告書等に「虚偽記載」なし
    2. 最近5年間「無限定適正」又は「除外事項を付した限定付適正」
    3. 次の(a)及び(b)に該当するものでないこと
      • (a)最近1年間の内部統制報告書に「評価結果を表明できない」旨の記載
      • (b)最近1年間の内部統制監査報告書に「意見の表明をしない」旨の記載

指定条件は上記の通りです。この基準を満たした銘柄の中から昇格予想を絞り込もうというのですね。

そんな絞り込みのためのスクリーニングは、四季報CD-ROMを利用するとあっけなくできてしまいます。スクリーニングの手順は以下の記事を参考にしてください。具体的な手順と検索式を紹介しています。

関連記事:四季報CD-ROMで東証一部昇格銘柄をスクリーニング

2018年秋の昇格条件一致銘柄(マザーズ市場)

早速ですが、前述のスクリーニングを行った結果を紹介しましょう。2018年秋版の四季報CD-ROMを利用した検索結果です。具体的な株主数などの数字は著作権に引っ掛かるので割愛しますが、銘柄名だけはしっかり載せておきたいと思います。

ただし、検索結果はマザーズ市場に限定します。というのも、JASDAQと東証二部まで含めると膨大な量になるからです。特に東証二部は安定期に入っている会社も多いため、東証一部の野望が失われた会社も多く存在します。それよりも野心豊富なマザーズ市場の方が東証一部指定を目指す可能性が高いと考えます。

という訳で、以下がマザーズ市場で東証一部指定の条件をクリアしている銘柄です。

コード銘柄名
2158FRONTEO
2178トライステージ
2438アスカネット
2489アドウェイズ
2497ユナイテッド
3547串カツ田中HD
3653モルフォ
3665エニグモ
3773アドバンストM
3793ドリコム
3914JIG-SAW
3969エイトレッド
4385メルカリ
6176ブランジスタ
6532ベイカレントC
6537WASHハウス
6552ゲームWith
6568ハナツアーJP
6568神戸天然物化学
6618大泉製作所
7172JインベストA
2018.9現在

厳密に言えば、東証一部指定条件をクリアしていない銘柄も含まれます。検索式に管理人なりの手心を加えている訳ですね。ただ、株主数や流動性といった数字は株主優待の新設や立会外分売の改善することができます。その可能性を含んだ予想内容と受け取って頂ければ幸いです。

ここら辺の事情は以下の記事に記載しています。興味のある方は併せてご覧ください。

関連記事:株主優待で予想する東証一部指定替え銘柄

管理人が手堅い期待銘柄を予想

さて、指定条件をクリアした銘柄をピックアップした所で、もう少し突っ込んだ銘柄予想に移りましょう。管理人の場合、東証一部昇格の予想基準を持っています。その一つが「東証一部に昇格してメリットのある会社であること」です。

メリットというのは具体的に以下のような事柄を指します。

  • 東証一部の信用度を得ることで商売にプラスに働く業態
  • 製造業などの堅いイメージがある企業は取引をしやすくなる
  • 東証一部の信用度で銀行からの借り入れがしやすくなる
  • 上記は設備投資が必要な業態にとってメリット
  • 東証一部の看板があると一般客のウケがいいサービス業

ここら辺を押さえておくと、なんとなく一部昇格を目指す手堅い企業が絞り込めてきます。では具体的な銘柄を予想していきましょう。

串カツ田中ホールディンクス(3547)

串カツ田中のフランチャイズを展開する会社です。2016年上場と株式業界では日が浅い企業ですが、既に知名度が高い企業でもあります。

この企業が東証一部を目指すと考える理由は、一般客の信用を得るために大きなメリットがありそうだからです。少なくともマザーズ市場でくすぶるタイプの業態ではありません。良くて東証一部、悪くても東証二部への移行は速やかに行われると考えます。

フランチャイズ展開する上でオーナー募集にも東証一部の看板は強く響きます。投資キャッシュフローが拡大している辺りにも成長意欲を感じますね。手堅い一銘柄だと考えます。

エイトレッド(3969)

大企業と中小企業に業務用のパッケージソフトを販売している会社です。やはり企業相手の商売となると信用度が欠かせません。東証一部の看板を欲しいのではないかと考えます。

やや気になる点は、このIT関連の企業であるので設備投資をあまり必要としない点です。これがIT関連企業の昇格予想が難しい所です。「なにがなんでも昇格したい」という経営陣の意思がないとちょっと難しいかも知れません。

予想的には△ですが、一太郎を扱うジャストシステム(4686:旧JASDAQ・現東証一部)の例もあるので昇格予想には入れておきたい銘柄です。

大泉製作所(6618)

長い目で見た場合、一番手堅い予想銘柄が大泉製作所です。温度センサーを製造するメーカーです。マザーズ市場では非常に珍しいタイプの企業ですね。

それもそのはず、製造業のマザーズ銘柄は時として東証二部を経由して一部指定を果たす傾向にあります。最近だと中本パックス(7811:旧マザーズ・東証二部)が顕著な例でしょうか。東証二部への市場変更でも期待が持てます。

時間は掛かるかも知れませんが、大泉製作所は東証一部への期待が高い銘柄と考えます。

昇格予想は気長に待つ投資法

以上の通り、管理人の予想する2018年秋の東証一部指定予想をご紹介しました。かなり保守的に予想したので銘柄数は多くありません。当然ながら、候補に挙げなかった銘柄も東証一部指定を果たす可能性は十分あります。気になる方は四季報で株式情報をチェックしてみてくださいね。

最後に昇格銘柄を予想した後の行動について解説してみましょう。要は買うタイミングの話です。個人的には四季報が発売された今の時期が買いのタイミングと考えます。夏休みを明けて、10月から本格的に株式市場が動き出すからです。

ただでさえ、東証一部指定はタイミングが読めない投資法です。できれば安値で買って長期保有を決めたい所ですが、なかなか資金繰りが難しいものがありますね。そこで10月を前に市場が動き出すタイミングを見計らって買っておくのが無難な選択肢でしょうか。

もっとも、結果的に長期の保有銘柄になるかも知れません。それくらい東証一部指定予想は気長に待つ必要がある投資法です。まあ、株主優待の新設や立会外分売を見てから買うのもありでしょう。あと、こちらの記事のように上位指定が多い時期に買っておくのもアリかなと思います。

関連記事:東証一部市場への上位指定(昇格)が多い時期

まあ、忍耐強さが必要な投資であることに変わりはありませんね。気長に成果を待ちましょう。興味のある方は関連記事もご覧ください。

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