東証一部昇格銘柄を狙う

新規に東証一部指定を受けた銘柄は、基本的には株価上昇の傾向を示します。しかし、買い時を見誤ると相場の乱高下に巻き添えを食らい、却って辛い思いをすることもあります。問題は、思惑の描き方と買いのタイミングです。

東証一部指定銘柄が発表されたときに、どのような銘柄をどのような戦略で買えばよいのか?

今回は、東証一部指定銘柄を買いで臨むためのトレード手法をご紹介します。

  1. 東証一部新規上場の効果
  2. 東証一部指定銘柄を狙う
    • 予想戦略
    • 後追い戦略
    • 割安銘柄アホールド戦略

東証一部新規上場の効果

株式市場は大きく分類して、3つの上場市場があります。新興市場(JASDAQ、マザーズ)、マイナー市場(東証2部、地方取引所)、そして東証一部です。

世間で最も知られているのは、やはり東証一部です。株式会社であるからには、東証一部に上場することが最終目標であるといっても過言ではありません。企業にとっては、ネームバリュー、ブランドともに大きなプラスになります。

さて、東証一部上場を投資から見た株式売買の観点から考えてみましょう。

企業が東証一部の指定を受けると、その銘柄は以下の影響を受けます。

流動性が向上する

東証一部というメジャー市場で売買されるため、一般に出来高が増えます。専門用語で「流動性が向上する」という言い方をします。

効果としては、より強い株価上昇の要因となります。下位の市場から一部昇格を果たすだけでも成長を描いていることは確かです。それに加えて、より多くの市場参加者の目に触れることで、より強い買いの動機が働きます。

TOPIXファンドに買われる

TOPIXというのは、東証一部に上場する銘柄の株価から規定の計算式を用いて算出する株価指数です。分かりやすく言うと、東証一部銘柄の平均といった所でしょうか(もっとも、正しくは平等に平均される訳ではないのですが)。

世の中には、このTOPIXに合わせて価格が上下するように設定されたTOPIX連動ファンドや投資信託がが存在します。低位の市場から東証一部に昇格すると、新たにこのファンドによる買いが入ります。

TOPIXファンドによる買い入れ額は大きく、その需要を見越して、一部指定のニュースにより株価が上がる傾向にあります。

東証一部指定銘柄を狙う

上記の通り、東証一部指定は往々にして好材料です。以下には、この好材料を利用した取引戦略をご紹介します。

  • 予想戦略
  • 後追い戦略
  • 割安銘柄アホールド戦略
予想戦略

一つ目に紹介するのは、予想戦略です。東証一部への昇格を事前に予想しておき、あらかじめ買っておきます。

予想の根拠となる材料は様々です。株式上場してからの年数、一部指定条件への適合の如何、立合外分売などの企業アクションなどが挙げられます。世の中には、この東証一部昇格を予想するサイトもあります。

戦略の利点としては、大幅な株価上昇を見込むことができる点でしょうか。一部指定のニュースは、ストップ高を促すことも多々あります。逆に難点は、昇格の時期が読みづらいことでしょうか。東証一部昇格が相次ぐ時期は集中しているあるものの、それでも2~3ヶ月の幅があります。このため、予想を外した際に見切りをつけるタイミングが難しい所です。

参考記事:東証一部の昇格条件と予想判断の基準

後追い戦略

冒頭で東証一部指定を受けると、TOPIXファンドの買い入れがあることを解説しました。この買い入れのタイミングをピンポイントで狙っていく手法があります。具体的には、「TOPIX買い」と呼ばれる買い入れの日に合わせて、予め指定銘柄を仕込んでおく方法です。

ただし、ちょっとしたノウハウが必要です。一部指定のニュースを受けた後も、その銘柄に伸び代があることが必要で、この計算をする必要があります。詳細は、以下の記事を参照してください。

割安銘柄アホールド戦略

往々にして、マイナー市場の上場銘柄は割安である傾向があります。なぜなら、それまで日の目を見ず、市場の注目を浴びてこなかったからです。それが、東証一部昇格と同時に多くの市場参加者の目に触れます。

結果、低PERであった銘柄が、東証一部上場銘柄に相応しいPERに戻ることがあります。これを狙っていきます。

基本的に、PER=10以下であれば十分割安で、東証一部指定を受けたのであれば、PER=15程度は堅いところでしょう。PERを調べて、ホールドを続ければよいだけです。

ただし、銘柄によってはなかなか株価が延びないことがあります。この点、時間を要するため、資金回りが悪くなる場合があります。

PERについては、以下の記事を参考にしてください。

参考記事:株式PERの計算と利用方法

以上が東証一部昇格銘柄の狙い目です。個人的な経験則ですが、一部指定のニュースがサプライズであるほど、伸び代・利益が大きいように思います。ハイリターンを狙うなら知っておいて損はない手法です。

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