株シストレにおける逆張り・順張りストラテジーの特徴

株のシステムトレードにおける各種ストラテジーの特徴

今回は株売買のシステムトレードにおける逆張り戦略と順張り戦略の特徴をまとめてみたいと思います。

逆張りか順張りか?これは株式売買が始まって以来の議論です。もちろん、両方の売買戦略にはそれぞれメリットもデメリットも存在します。一概にどちらが正解という答えはありません。

ただ、システムトレードの運用に限定して言えば、往々にして逆張りの方が勝率が良いという優位性があります。結果として高い安定性が実現できるという結論を持っています。逆張りと順張りのシグナルが両方出たら、とりあえず逆張りシグナルを優先するという考え方が妥当なところでしょう。

そんな訳で、以下には各ストラテジーの特徴を語っていきたいと思います。

逆張りと順張りのストラテジー

株のシステムトレードでは、大きく分けて2つの売買方針が存在します。逆張りと順張りです。

「逆張り」というのは、株価が大きく下げた時に買うという、カウンター型の売買方針です。得てして株価というのは恐怖心から売られすぎます。その下落が行き過ぎる傾向があるので、あまりに大きく売られたときを見計らって買うという方針です。

「順張り」というのは、株価が高値を付けたときに買いを入れる方策です。伸びる株というのは、高値を付けた後も2倍、3倍と伸びることがあります。その大きな伸びを狙って買いに行くというのが順張りの基本方針となります。

もっとも、どちらの売買戦略も簡単なようでいて実は奥深いものです。当然、メリットばかりではなく、デメリットも存在します。そこで今回は、それぞれの売買ストラテジーの特徴をまとめて、実運用へのヒントをお伝えしたいと思います。

逆張りストラテジーは利益に安定感あることが特徴

最初に逆張り戦略のご紹介からしていきたいと思います。逆張り戦略にはざっと言って、以下の特徴があります。

  • 株価が下落したときに買う
  • 暴落時に多くのシグナルを出す
  • 当面の利益は含み損から
  • 損切りを深く設定する必要がある
  • 利益の期待値は少なめ
  • 勝率が良い
  • 投資期間が短い

それぞれ詳細にご紹介していきましょう。

株価が下落したときに買う

まずは逆張り戦略の基本です。当たり前かも知れませんが、逆張りのストラテジーでは株価が大きく下落した際に買いを入れます。理由はいろいろと後付けできますが、本質的に株が売られすぎているという観点から株価を見るからです。

細かい点では、この売られすぎの状態を見るのに色々な指標を利用します。あくまで一例ですが、例えばストキャスティクスが30を下回るようなら売られすぎの状態にあると言えます。こうした指標を利用して売られすぎの状態を検知し、売買シグナルにつなげるのが逆張りストラテジーの特徴です。

暴落時に多くのシグナルを出す

前述の通り、逆張り戦略は売られすぎたところで株を買い付けます。必然的に売買シグナルが多く出る局面が発生します。日経平均が暴落したときです。株価が全面安になった状態では、その分だけ売られすぎの銘柄も多く発生し、売買システムもそれに応じて多くのシグナルを出すようになります。

当面の利益は含み損から

これは逆張り戦略のデメリットなのですが、建玉を建てた後にすぐに利益が出ることは稀です。むしろ、当面は含み損の状況が続きます。

というのも、優秀な逆張りストラテジーであっても、市場の底をうまく見つけることが難しいからです。市場も市場ですぐに株価回復とはいきません。リバウンドの材料が出るまで、しばらくポートフォリオは赤字の状況が続くことでしょう。

損切りを深く設定する必要がある

上記の理由から、逆張りストラテジーでは損切りを深く設定する必要があります。より正確に書くのであれば、損切りを浅く設定すると儲かるストラテジーを作ることができないのです。

この損切り幅はかなり大きく、おおよその目安として-20%程度の株価下落まで織り込む必要があります。経験則として、これくらいまで損切り幅を大きく設定しなければ、儲かる逆張りストラテジーを作ることができません。

利益の期待値は少なめ

そんな大きな損切り幅に対して、残念ながら利益の期待値もさほど大きくありません。株価2倍、3倍なんて遠い夢で、10%程度の利益を取れれば御の字です。これまた逆張りストラテジーのデメリットであるかも知れません。

やはり経験則になりますが、逆張りストラテジーは平均しておおよそ10%程度の利益が出るように作ると利益を最大化することができるようです。

勝率が良い

上記の通り、逆張り戦略のデメリットをご紹介した訳ですが、当然ながらメリットも存在します。そのひとつが勝率が高いことです。そうでないと、トータルで儲かるストラテジーになりません。

経験則になりますが、逆張りストラテジーの場合、勝率を60%~70%にまで上げることが可能です。ここら辺をひとつの目安にして売買則を構築してみてはいかがでしょうか。

もちろん、勝率はあくまで副産物でしかありません。最終的にはトータルでどれだけの期待値が実現できるかという点が売買ルール構築の最終目標となります。

投資期間が短い

そしてもう一つ、逆張りストラテジーには嬉しいメリットがあります。1回の売買における投資期間が短いことです。

投資期間が短くなると嬉しくなる理由は、資金効率が高まるからです。実運用に移ると分かりますが、株のシステムトレードでは頻繁に売買シグナルが出る局面がしばしば発生します。そんな時、資金効率が高い方がトータルの運用益も高くなるのです。

逆張りストラテジーの例

以上の通り、株のシステムトレードにおける逆張りストラテジーの特徴をご紹介してみました。そんな逆張りに挑戦してみたいという方は、以下の記事も併せてご覧ください。管理人が構築した逆張りストラテジーの作り方を基礎から解説しています。システムトレードソフト「イザナミ」の使い方もマスターできるので一石二鳥の内容となっています。

関連記事:システムトレードソフト「イザナミ」で売買ストラテジーを作ろう

順張りストラテジーのメリット・デメリット

一方で、逆張り戦略と対になるのが順張りのストラテジーです。この順張りの売買ストラテジーの特徴は以下の通りです。

  • 高く買ってもっと高く売る
  • 新規建ての当日から含み益も
  • 損切りが浅くて済む
  • 1回のトレード利益が大きい
  • 投資期間が長い
  • 勝率が悪い
  • トレードシグナルの発生は少なめ

以下にそれぞれの特徴をご紹介していきましょう。

高く買ってもっと高く売る

順張りトレードの特徴はなんといってもこれに尽きます。株価が高くなった局面で買うことが最大の特徴です。

例えば、高値をブレークした場合です。教科書的には株価の高値ブレークはさらなる株価上昇のサインです。このサインを検知して、売買シグナルを出すのが順張りストラテジーのひとつの特徴です。

新規建ての当日から含み益も

順張りストラテジーの良いところは、株価に上昇の勢いがあることです。ある日、高値を超えた銘柄が次の日も高値を超えることなんて珍しくもありません。結果として、新規建ての建玉が当日から利益を出すなんてことがざらにあります。

損切りが浅くて済む

良いことだらけのような順張りストラテジーですが、もちろん失敗に終わる場合もあります。株価上昇がダマシに終わった場合を想定して損切り注文を入れる必要もある訳です。

ただ、逆張りの場合と違って、順張りのストラテジーでは損切りを浅めに設定しても利益が出るストラテジーを作ることが可能です。経験則になりますが、損切りの目安は-10%というところでしょうか。

もちろん、指値で設定する場合だけでなく、別の指標を用いてストラテジーを作るケースもあり得ます。

1回のトレード利益が大きい

これぞ順張りトレードの華という特徴ですね。1回の売買で得られる利益が非常に大きいという特徴を持っています。

一概には言えませんが、順張りストラテジーでは株価2倍になることも珍しくありません。もちろん、投資期間や勝率を加味してパラメータを調整することもあります。ただ、それでも勝ちトレード1回の利益は概ね大きくなる傾向にあります。

投資期間が長い

ここからはデメリットになります。やはり良いことばかりではありません。

まず、順張りストラテジーのいやらしさは投資期間が長くなる傾向にあることです。株価の上昇速度というのは、一般にゆっくりですから当然であるかも知れません。1回のトレードで建玉を保有する期間が1ヵ月を超えることもしばしばあります。

投資期間が長くなると、その建玉の分だけ資金が拘束されます。つまり、投資資金の回転率が悪くなる訳です。これが順張りストラテジーの悪いところとなっています。

勝率が悪い

デメリットはまだあります。最大のデメリットがこちら。勝率が非常に低いことです。

管理人の経験則から言うと、順張りストラテジーの勝率は30%~40%程度です。もちろん、その分だけ高い利益が出る訳ですが、トータルではさほど儲からないこともしばしばあります。

さらに勝率が悪い結果として、運用があまり安定しないという難点もあります。一発が大きい分だけ勝率が悪い。これが順張りストラテジー最大の懸念事項です。

トレードシグナルの発生は少なめ

最後にトレードシグナルの発生頻度です。

順張りストラテジーの場合、やはり逆張り戦略に比べてトレードシグナルの発生率が低くなります。考えてみれば当然のことで、高騰する銘柄より暴落時に売られる銘柄の方が多いという訳です。

このため、順張りトレードばかりで臨んでいるとトレードの頻度がまばらになりやすくなります。やはり、安定性に欠けてしまうのが順張りストラテジーの悪いところです。

順張りストラテジーの作成例

以上の通り、順張りストラテジーの特徴についてご紹介してみました。トータルプラスで安定する順張りのストラテジーを作るのはなかなか難しいかも知れません。管理人もやはり順張り戦略でストラテジーを作るのは難航しました。

ただ、以下の記事ではそんな苦労の中でもトータルプラスになるストラテジー作成に成功した例をご紹介しています。興味のある方は併せてご覧ください。twitterでも称賛の声を頂いた記事となっています。

関連記事:平均利益3%を実現するブレーク法の売買ルール

シグナルに迷ったら逆張りシグナル優先で利益を安定させる

最後に順張りか逆張りかの議論にひとつの結論を出したいと思います。

マルチルールで運用を行っていると複数のストラテジーがシグナルを出して判断に迷うときがあります。典型的な例として挙げられるのが、順張りと逆張りのストラテジーが同時にシグナルを出した場合です。

どちらも検証した売買ルールがシグナルを出している訳ですから、どちらかが誤りという訳でもありません。ただ、資金には限りがありますし、一定以下のレバレッジで運用を行うには、どちらか片方を選ぶ必要が出てきます。

これが正解という訳ではありませんが、管理人の場合は逆張りのストラテジーを優先させます。理由は勝率です。ここまで書いた通り、逆張りストラテジーの方が勝率がよく、結果として運用益が検証結果に収束することが多いからです。これは利益の安定性につながります。

そんな訳で、逆張りか順張りかで迷ったら逆張りを選ぶ。これが管理人の売買ルールとなっています。

なお、イザナミではそんなマルチルールでの資金管理も検証することも可能です。設定は簡単ですので、興味のある方は是非とも試してみてください。以下のリンク先からダウンロード可能です。

いまなら、試用期間中は無料で利用することができます。

参考:株システムトレードの検証ソフト「イザナミ」[スポンサーリンク]

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