
本日6月30日。日経平均が+67円で終えました。これから7月に入ろうというのに、日本株は下がる気配がありません。
例年、7月というと企業の決算発表が一巡し、材料出尽くしで株価が下がる傾向があります。しかし、今年はそんな気配がなく、チャートを見ると、むしろ足場固めが終わった印象があります。
そんなこんなで、筆者の予想は7月株高。以下に予想の根拠を示してみたいと思います。
- 日経平均のチャートを紐解く
- 7月の買い手は外国人投資家か
- 海外勢の姿勢の変化
日経平均のチャートを紐解く
まず、チャート分析からいってみましょう。以下は、日経平均の日足チャートです。
チャートには、価格帯別出来高を表示しています。出来高が伸びている価格帯は、重要なチャートポイントです。
上記のチャート分析に則っとると、日経平均は以下の価格が節目になるかと考えます。
- 底値:日経平均14300円
- 現在価格:日経平均15000円
- 高値目標:日経平均16000円
さらに、現在進行形で上昇トレンドが続いていることを考えると、今日の15000円が押し目で高値16000円にタッチ。その後、8月の彼岸底で一端トレンド収束。そんなシナリオが見えてきます。例年、7月あたりから始まる株安相場が、今年は逆転するかもしれません。
7月の買い手は外国人投資家か
では、7月の買い手となるのは誰でしょうか。6月の日経平均上昇を支えたのは、筆者はGPIFであると思います。これは、年金運用ポートフォリオの株式比率を上げたためです。この点については、実は5月に麻生財務大臣が言及した事実があります。まさに、その発言が具体化した訳です。
この5月の発言で、一つ大きな動きがありました。海外勢の買いです。一国の財務大臣が日本国による買いを名言したことで、海外勢にとってアベノミクス相場継続のシナリオが見えてきたのです。
彼らの当初のシナリオには、5月の売り(Sell in May)でアベノミクス幕引きの舞台があったかも知れません。しかし、麻生財務大臣の発言通り、6月はGPIFの買いの影響で株高となりました。これに、海外勢は安心感を覚えたことでしょう。
目先のイベントとしては、とりあえず7/3(木)の米雇用統計があります。先月のFOMCでは、金融緩和縮小先延ばしの決定で、株式相場はリスクオンの姿勢をとりました。次回の米雇用統計をつつがなくこなせば、株高のトレンドが継続すると考えます。
海外勢の姿勢の変化
「海外勢が買っている!」と言っても、一点、疑問に感じていることがあります。為替リスクのヘッジです。
昨年、2013年のアベノミクス相場では、株高と同時に円安が進みました。これは、海外勢の投資家が、株式の買いと同時に円売りの為替ヘッジを行っていたためです。海外勢からすると、株高となっても円安が進行すれば利益が目減りするためです。株式買い・円売りが、彼らの常套手段でした。
それが、最近の日本円は買われ続けています。本当に海外勢が買っているのかと思うほど、ドル円の為替レートは下落しています。かろうじて、日経平均が先物主導で動き、米NASDAQ指数に連動している辺りに、海外勢の買いが見え隠れする程度です。
そこで、次の仮説が浮かび上がります。「もしかして、海外勢は円売りヘッジを止めたのではないか?」ということです。あくまで、仮説ではありますが、可能性は否定できません。もともと、昨年までの円高が続いていた理由は、円キャリーなどの過剰な円買いが原因です。既に、ドル円は100円を超え、妥当な水準に落ち着いたように見えます。海外勢からすれば、すでに為替リスクは減少しているのかもしれません。
米長期金利が低下している辺りも、円売りに魅力がなくなった原因かもしれません。長期金利が低下した分、投資機関にとっては資金調達が容易になります。今後、株高・円売りの構図は疑ってかかる必要があると考えます。
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