イザナミで売買ルールを作る連載。第3回の今回はフィルタと指値を利用してプロフィットファクターを向上する手段を紹介したいと思います。
システムトレードの売買ルールにフィルタを追加することで、売買の回数を減らすことができます。その効果は、勝率やプロフィットファクターの向上です。一般的には、売買の条件を絞りこんだ方がシステムの成績が良くなる傾向があります。
今回は、そんな有意義なフィルタを利用して、売買ルールの成績を向上する内容を解説したいと思います。
- 売買ルールの改良内容
- フィルタと指値の効果を検証する
- まとめと次回予告
売買ルールの改良内容
今回利用するルールの紹介から始めていきましょう。今回利用するルールは以下の通りです。
- 仕掛けのルール
- 終値が200日移動平均線を上回っている
- 株価が80円以上
- 終値が「25日線-3×ATR(30日)」を下回っている(ケルトナーチャネル)
- 上記を満たしたら翌日に前日終値-5%で指値買い
- 手仕舞いのルール
- 10%の利益が出たら翌日に成行で売り
- -10%に逆指値を入れる
今回追加したのは、200日移動平均線と株価80円のフィルタです。このフィルタを入れることで若干の成績向上を見込むことができます。また、買い付けの方法を成行買いから指値買いに変更しました。ケルトナーチャネルの幅も若干の変更を加えています。
イザナミでの具体的な設定内容は、以下の通りです。興味のある方は、スクリーンショットを参考に設定してみてください。
こうなると、なかなかシステムトレードらしい複雑なルールになってきましたね。ただ、前回までのルールに条件を加えただけのルールです。詳細は後述しますが、システムトレードでは、このフィルタが成績向上のヒントになることが多々あります。
前回までの経緯を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。特にケルトナーチャネルについては、前回の記事で設定方法を解説していますので、試してみたい方は必見です。
- 連載第1回:イザナミで使える売買ルールを作る
- 連載第2回:ATRを使った売買ルールの作り方
フィルタと指値の効果を検証する
検証結果に移りましょう。今回設定したルールを検証すると以下の結果になります。
成績改善のポイントは以下の2点です。
- 一回のトレード期待値が上昇した
- リーマンショック後のドローダウンが減った
実を言うと、前回の結果よりもトータルの利益は減ります。理由は売買回数が減るためです。
しかし、一回当たりの期待値は上がっていますし、何よりもリーマンショック後(2008年辺り)に大きく沈み込む状況が改善されました。これがなければ、レバレッジを上げると同時に破産してしまいます。まあ、まずまずの結果と言うところでしょうか。
まとめと次回予告
今回はフィルタを使って売買を絞り込む方法を解説しました。売買の回数は減ってしまうけれども、成績は向上します。それがフィルタを入れる効果と功罪です。特に、今回は指値買いと併せてフィルタを導入してみました。
ただ、これは個人的な感想ですが、売買の回数は減らした方が実運用で使い勝手が良いです。理由は資金管理が楽になるためです。いくら売買シグナルが出るからと言って、あまりにたくさんのシグナルが出ても全てをカバーすることはできません。それどころか、粗雑なルールだと勝率が悪すぎてメンタルに響いてきます。
そのような訳で、フィルタを入れて売買回数を減らしてでも成績を向上させる。これがシステムを実運用にフィットさせるコツだと思います。個人的には、年50~100回くらいが適切なシグナル数の範囲だと思います。
次回は、最後の切り札となる利益確定の方法論について述べたいと思います。まさかの「逆指値なし」に挑戦します。乞うご期待。
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