時間帯の需給で読むデイトレードのノウハウ

株式市場の時間と値動き

今回は趣向を変えて、デイトレードに関わる需給関係の知識を紹介したいと思います。要は、デイトレのトレードノウハウです。

デイトレードにも、トレード手法というものが存在します。今回ご紹介するのは、あまり知られていない日中の需給状況です。株式の標準取引時間をザラバと言いますが、そのザラバの中でも時刻によって異なる需給要因が働きます。その需給要因を利用してトレードしようという話です。

念のため言っておくと、普段の管理人はスイングトレード主体です。それでもデイトレの知識を持っているのは、ベストな価格で約定させたいからですね。週単位のホールドが前提であるスイングトレードであっても、寄付き・大引け以外でエントリーした方が優位になる可能性があります。飽くまで、そういうスタンスで書いた内容だという理解でご一読ください。

  1. 株式市場のタイムテーブル
  2. 寄り前の海外需給を読む
  3. 個別株の成り行き注文を読む
  4. 開場30分間続く中間業者のカバー取り引き
  5. 大引け30分前に翌日の需要を占う

株式市場のタイムテーブル

最初に株式の標準取引時間=ザラバのタイムスケジュールをおさらいしておきましょう。土曜前場のみの売買が廃止されて以降、株式市場は9時開場の15時終了で毎日取引されています。途中、11時半から12時半の間は昼休みです。タイムスケジュールは以下のようになっています。

株式市場の時刻と動向

株式市場の時刻と動向

表の中にはちょっとしたノウハウが隠れています。簡単に言えば、需給に関わる情報が判別できる時間帯があるのですね。寄り前の板状況や海外筋の成り行き注文などが典型的な例でしょうか。言わば、需給要因や値動きからその後の株価予想がしやすい時間帯があると言えます。

今回は、こうした需給要因に基づいたデイトレードのヒント・手法を語っていこうと思います。あまり知られていない大口顧客や、データを提供する情報ソースについても触れていきたいと思います。

寄り前の海外需給を読む

はじめに海外投資家の需給を読む方法から。海外の投資家は基本的に日本のザラバには参加しません。時差があるためです。そのため、売買注文は前日の間から出されていて、実際の売買作業を行うのは日本の取り次ぎ業者や外資証券の日本支社が代行しています。

注文指示が前日から出されているだけあって、海外投資家の成り行き注文は寄り前から見ることができます。その寄り前注文のデータを提供しているのがトレーダーズウェブというサイト。毎日、寄り前の1時間程前に外資の注文状況をアップしています。

トレーダーズウェブ(外資系動向)のページ

情報が出てくるのは寄り前の売買注文だけですが、時期によっては彼らの需要が市場を支配します。特に四半期決算に先立つ売りが行われる2月、5月辺りが顕著でしょうか。この頃に寄り前から大きな売りが出ているようだと要注意です。海外勢の需給が支配的と読んだら、その日は売りで入ったほうが勝率が上がります。

海外筋の現金化売りに関しては、下記の記事も併せてどうぞ。

参考:ヘッジファンドの45日ルールと売りの時期

個別株の成り行き注文を読む

今度は個別株の寄り前注文状況に話を移しましょう。株式の注文というのは朝8時の段階から受け付けています。個別株の売買板では、その銘柄の寄り前注文が見ることができることは周知の通りであると思います。

そうした寄り前注文の中から、大幅な買い越し、売り越しがある銘柄をピックアップして発信しているサイトがあります。株探というサイトです。

「株探」市場ニュースのページ

毎日の寄り前10分~5分ほど前になると、この株探のページでは特報がアップされます。特報の内容は、寄り前注文のインパクトが多い銘柄のランキングですね。インパクトが大きければ、その日の株価は大きく動くことが予想されます。

往々にして、買いインパクトが大きいほど、窓を開けて寄り付くことが多々あります。逆に、寄り前注文が大きいのに寄り天にならなかった銘柄こそ狙い目になりそうです。なぜなら、寄りの時点で反対売買が一巡して、その日は上下いずれか一辺倒のトレンドになる可能性があるからです。もっとも、一辺倒のトレンドとは言っても、後述するように中間業者や寄り後の反対売買によって、一時的に押し目ができることもあります。

開場30分間続く中間業者のカバー取り引き

一般にはあまり知られていないのですが、いわゆる銀行やファンド以外にも大口の機関投資家が存在します。それは、投資家の売買を取り次ぐ証券会社のディーラーです。一般投資家向けの証券会社は、普段は顧客の注文を取り次ぐことが仕事です。ただ、顧客向けの業務とは別に、自己の裁量で売買を行うトレード部門を抱えていることがあります。

取り次ぎ業者のトレード部門が持っている強みは、一般投資家からの注文の全体像を把握していることです。一般投資家は、寄りから成り行き注文で買う傾向があります。そうした寄り前注文に対して、勝算があれば取り次ぎ業者のディーラーは大きな売りをぶつけてきます。そうして株価が下がり、個人の損切りが一巡した所で買い戻せば、損切り注文の分だけ利益を上げることがでるという寸法です。

カバー取引後の高値は買いのシグナル

カバー取引後の高値は買いのシグナル

その日は上昇傾向のあった銘柄でも、寄り直後に下落を続けることがあるのは、取り次ぎ業者による反対売買が支配的であるためです。ただ前述の通り、寄りからの反対売買はすぐに買い戻される運命にあります。株価の上昇予想に自信があるのなら、9時半頃の下落ピークが絶好の押し目として機能します。

押し目を狙わなくとも、反対売買が一巡した9時半過ぎでも寄り付き価格を上回っているようなら明確な買い需要があることが分かります。管理人はこちらのタイミングで仕掛ける習慣を持っています。地合がよければ、その日のうちに大きな含み益となります。というよりも、そうした買いのタイミングこそ良いエントリーであると言えるでしょう。スイングトレードを前提としていても、含み損を抱えず、含み益からスタートできるタイミングを狙うことができれば、それに越したことはありません。

大引け30分前に翌日の需要を占う

最後にタイムスケジュールのラスト30分の需給要因です。大引けの30分前になると、市場を見ている参加者は持ち越しや次の日の値動きを考え始めます。2時半頃の値動きが翌日の株価を占う一つの目安となる訳です。今後の株高が予想される銘柄は、ここからその日のラストスパートに入り、上昇が疑われる地合では、トレンドがしぼんでいく傾向があります。

大引け前の値動きで翌日の株価予想

大引け前の値動きで翌日の株価予想

一種のおまじない的要素ではありますが、管理人の場合はこの2時半に買いで入ることがあります。その日は下落した銘柄であっても戻しの値動きが期待できますし、本当に期待できる銘柄なら、ここからさらに上げてくるからです。逆に2時半からも下落を続けるようなケースは、よほど地合の悪い場合でしょう。その場合は、翌日の寄りから損切りを考えた方が良さそうです。

今回は、デイトレのノウハウとして、時間別の需給要因について触れてみました。デイトレに限らず、昼間に仕事を持つスイングトレーダーも一考の余地があるのではないでしょうか。サラリーマン投資家の管理人も、タバコ部屋で一服しながらよく注文を発注しています。ご参考までに。

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コメント

    • クラウディア
    • 2016年 7月 16日

    とても参考になる内容です。本当にいつもありがとうございます!
    まだまだ、初心者ですが、少しずつ勉強させていただきます。
    次回も楽しみにしています(^-^)

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