
今回は、ファンド買い・トピックス買いの履歴をチャートから読み解く分析手法をご紹介します。まあ方法は、簡単です。売買出来高を見れば良いのです。大口の買い入れゆえに、株価チャートには出来高急増の足跡が残ります。
GPIFをはじめとして、機関投資家は特定の日に大口の買いを入れることがあります。この買い入れは「トピックス買い」や「ファンド買い」等の名称で呼ばれます。特に前者の場合は、トピックス採用銘柄だけで構成されるポートフォリオに組み込まれるので「トピックス組み入れ」とも呼ばれますね。
大口ファンドの買い入れは、主に月末に集中しています。以下には、この月末にお目当ての銘柄に買いが入ったのかどうかを確認する方法をご紹介します。直近のトピックス買いに絡めて語っていきましょう。
- GPIFファンドのトピックス買い
- 買い入れの実績を出来高で確認
- 翌日持ち越しのエラン(6099)
- 上がらなかった学究社(9769)
Contents
GPIFファンドのトピックス買い
まずは、直近のトピックス買いをご紹介します。去る2015年12月28日は、GPIFによるトピックス組み込み銘柄の買い付けが予想されていた日でした。ここら辺の事情は、以前から当サイトで語っています。下記の記事も合わせてどうぞ。
12月28日のTOPIX買い
ポートフォリオに組み込まれる予定であった銘柄は、前月に東証一部指定を受けた銘柄でした。以下に、対象銘柄と買い付け予想日28日の騰落率を並べてみました。
- 2117 日新製糖:-20円(ー0.3%)
- 2337 いちごグループ:+5円(+1%)
- 2930 北の達人:+2円(+0.3%)
- 6082 ライドオン・エクスプレス:+183(+10.4%)
- 6099 エラン:+46円(+3.5%)
- 6619 ダブルスコープ:+110円(+2.6%)
- 6871 日本マイクロニクス:+69円(+5.9%)
- 7618 ピーシーデポ:-3円(-0.3%)
実は、今回のトピックス買い入れはイレギュラーな展開になっていました。上記の銘柄のうち、28日に予想通りの買い付けが行われて株価が上昇したのは、下線を引いた銘柄に限られていたのです。
翌日29日の株価騰落率
残りの銘柄は、翌日29日に持ち越し。買い入れの有無を確認していなければ、うっかり狙い目の銘柄を一日早く売り捨ててしまう展開でした。具体的には、エランが翌日持ち越しで大幅高になりました。管理人、この銘柄のTOPIX買いを狙っていたので注視していましたね。
- 2117 日新製糖:-60円(ー1%)
- 2337 いちごグループ:+4円(+1%)
- 2930 北の達人:-5円(-0.8%)
- 6082 ライドオン・エクスプレス:+66円(+3.4%)
- 6099 エラン:+118円(+8.7%)
- 6619 ダブルスコープ:+75円(+1.7%)
- 6871 日本マイクロニクス:+60円(+4.8%)
- 7618 ピーシーデポ:+11円(+1.2%)
日新製糖、いちごグループ、北の達人、ピーシーデポは市場の売り圧力に負けてしまいましたね。まあ、もともとの出来高が大きい銘柄だったので、小判ザメ投資法向きではありませんでした。売買高の大きい銘柄は、ファンドの買い付けより市場の影響を強く受けます。以下の記事を参考にどうぞ。
買い入れの実績を出来高で確認
さて、TOPIX買い入れの事実を確認する方法について。翌日に買い入れが持ち越された銘柄をうっかり売り捨ててしまわないためには、チャートから事実を確認する必要があります。本題の買い入れの有無を確認する方法です。結論から言うと、買い入れの有無は出来高の増加を見ると確認することができます。

ライドオン・エクスプレスのファンド買い
上記は、予定通りの28日にトピックス買いが行われたライドオン・エクスプレスのチャートです。出来高に注目して下さい。28日の出来高が急増したことが分かります。この出来高の増加がファンド勢買い入れの足跡です。一日に集中してたくさんの単元を買い入れたため、このような出来高の増加がチャートに残ります。
今回は、GPIFの買い入れに限って話をしていますが、同様の傾向は一般の銘柄でも変わりません。GPIF以外の他の機関投資家が買い付けしても、やはり同様の出来高の増加が伴います。チャート分析で「出来高の増加を伴って上がった銘柄は上昇トレンド入りする」という見方がありますが、それは投資ファンドが買い入れを始めた事実に裏付けられているのでしょう。確かに投資ファンドが散発的に買い入れを行う銘柄は、上昇トレンドを描く傾向にあります。
翌日持ち越しのエラン(6099)
話を戻して、12月28日のトピックス買いを振り返ってみましょう。28日に買い付けが行われた銘柄は限られていたと書きましたが、実は残りの銘柄の買い付けが翌日に持ち越されていたようです。持ち越された銘柄はエラン(6099)です。翌29日の株価上昇率+8.8%と見逃すには惜しい銘柄でした。
29日持ち越し:エラン(6099) +8.8%
チャートを見ての通り、やはり29日に出来高が急増しています。この日にトピックス買いがあった事実を裏付けています。

エランのファンド買いチャート
逆に言えば、28日には出来高が増えていませんでした。今回の手法で28日に買い付けがなかったと判断できたので、翌日持ち越しに望みをかければ大当たりした訳です。
2015年現在、東証一部指定銘柄のトピックスポートフォリオ組み込みは、指定翌月の最終営業日に行われます。ファンドによる買い付けは、その翌日の営業日と予想しています。ただ、飽くまで予想にすぎず、ファンドの指示や買い付け機関の都合次第で変わる可能性があることは頭に入れておくべきでしょう。特に、今回のような対象銘柄の多い月は、尚更イレギュラーな事態が起こりえます。
上がらなかった学究社(9769)
最後にTOPIX買いを受けても上がらなかった銘柄の例を出します。残念無念だった学究社(9769)です。チャートを見る限り、確かにトピックス買いがあったようなんですが、全然上がってません(涙)。
学究社(9769):28日買い付け -1.8%

学究社は売り圧力に負ける
理由は、買い付け金額の割には市場の売買金額が多かったことでしょう。トピックス買いの金額規模は、対象銘柄のトピックス組み込み時点の時価総額に比例します。一方で、市場の売買が頻繁に行われると、買い入れのインパクトは薄まってしまいます。
- 時価総額大→買い入れ金額大(上昇率大きい)
- 売買出来高大→買い入れインパクト小(上昇率小さい)
普段の出来高が大きい場合、市場のトレンドが買いに働けば大きく上昇すするのですが、その逆も然り。売り圧力や利益確定の動きが強いと、トピックス買いのインパクトも薄まってしまいます。今回の学究社の場合、時価総額が小さい割には東証一部指定で直近の売買が盛んになっていました。トピックス買いの規模も小さかったので、利益確定の圧力に押されてしまったのでしょう。
この辺の銘柄選定のノウハウは、以前お話した通りです。興味のある方は、以下の記事もご覧あれ。
参考記事:TOPIX買いで小判ザメ投資法
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。