先日まで小型株中心のマザーズ市場、JASDAQ市場が活況で高値を更新する銘柄が続出していました。そんな市況で強いのがブレーク法による順張り戦略です。
ブレーク法は、要は「過去の高値を上抜く(=ブレークする)」タイミングを買いのチャンスとします。一般には、勝率は悪いものの成功時の株価の伸びが良く、高い利益を臨むことができる手法だと言われています。ただ、高値更新ばかりがエントリーのタイミングばかりとも言えません。特定のチャートパターンでは、高値更新を果たす以前にエントリーしてしまった方が良いケースがあります。
今回は、株価の揉み合いパターン=いわゆるボックスチャートを例にして、ブレーク法の買いタイミングを解説していこうと思います。
- ブレーク法・順張りの特徴
- ボックスチャートのエントリーポイント
- セットアップのパターン色々
- 今日の教科書
ブレーク法・順張りの特徴
最初にブレーク法の特徴を解説してきます。今回の題材となる銘柄はマザーズ市場から東証一部に昇格したLITALICO(6187)です。この銘柄、新規上場から1年以上が経ち、東証一部への期待が相まって投資家の物色対象になったようです。
チャートはSBI証券より
「高値更新」がブレーク法のキモとなる所です。一般的には、揉み合い相場を抜けたポイント。チャートで言えば1400円を超えた週足陽線がエントリーのポイントとされているようです。ただ、これって本当に正しいエントリーポイントでしょうか。ボックスチャートと判断したなら、もっと良いエントリーポイントがあるはずです。
という訳で、今回はボックスチャートのエントリーセオリーを語っていこうと思います。
ボックスチャートのエントリーポイント
先ほどのLITALICO(6187)のチャートを例にボックスチャートを確認してみましょう。この銘柄の揉み合い部分は、18週に渡って続いた1,100円~1,400円の範囲です。ボックスをチャートに書き込めば以下の通りになります。
実は、現在時点に至らなくともボックスチャートの判断を行うことはできました。1,100円の下値を割らずにチャートが再び上向いた時点です。3回の下値防衛で既にセットアップは完了。下値から上向きと判断したら、ブレーク期待の買いポジションを準備しなければなりません。
では、エントリーすべきポイントはどこでしょうか?買いを入れるタイミングのセオリーを以下のチャートに書き込んでみました。
答えはボックスチャートの中間価格。チャートで言えば、1,200円よりも上の価格帯です。ここで成り行き買いを入れて、ブレーク待ち。上昇モメンタムに乗じて含み益が出た後、同じく1,200円に損切の注文を入れれば並行してリスク管理を行うこともできます。
以上がモノの本によるボックスチャートのエントリーセオリーです。
セットアップのパターン色々
実を言うと、前述のボックスチャートは揉み合いパターンの一例に過ぎません。株式に限らず、相場のチャートにはいくつかの揉み合いパターンがあることが知られています。
いくつかの例を以下に示しましょう。ボックスチャート以外にもよく知られたものとして、フラッグ、ペナント、ウェッジ当たりがよく見られるパターンです。
株式チャートの一例として、フラッグからのブレークを果たしたITbook(3742)を示しておきましょう。
この会社はマイナンバー銘柄として一世を風靡したIT企業でしたが、直近では株価が低迷していました。しかし、チャートは謎の上昇からフラッグを形成。セオリー通りにエントリーすればストップ高の恩恵にあずかれた非常においしい銘柄でした。
管理人、660円まで引っ張って利益確定しましたね。材料はまだ現時点でもニュースに流れていないようです。マイナンバーバブルの年に未回収であった売掛金が今期の業績に織り込まれたのでしょうか。まあ、マザーズ銘柄は材料豊富ですので、相応の思惑があるならチャート先行で買ってしまうのも一つの手段です。
今日の教科書
以上の通り、今回はチャートパターンを読んでブレーク期待の買いを入れるエントリーセオリーを解説してみました。ブレーク法そのものはよく耳にする手法なのですが、詳細はあまりに知られていないと考えた末の記事作成です。これを読めば高値掴みして買い煽りに噛みつくなんて事態は防げますね。
という訳で、本日の教科書を紹介します。チャート分析の第一人者、トム・デマークの著書から一冊チョイスしました。興味のある方はご覧あれ。管理人お気に入りの一冊です。
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