特定口座と一般口座の違い

このページでは、株式取引の初心者が戸惑いやすい一般口座と特定口座の違いについて解説します。

一般口座と特定口座の違いは、税金の納め方が異なる点です。それぞれに納税上のメリットがあります。その選び方について解説します。なお、注意として、年の途中で切り替え不可の点も付け加えておきます。

  1. 一般口座と特定口座どちらを選ぶか?
  2. 年間利益が少ないなら一般口座
  3. 手間を省くなら特定口座
  4. 年の途中で変更は不可

一般口座と特定口座どちらを選ぶか?

一般口座にするか特定口座にするか?

株式の取引口座を開設する書類の記入で、初心者の方が最も戸惑うのがこの選択肢です。これに関する質問が、2013年のアベノミクス興隆期にYahoo知恵袋で頻繁に出されました。

両者の違いは課税徴収の区別によるものです。一般口座は源泉徴収されません。特定口座では株式譲渡益に伴う税金が源泉徴収されます。

一般口座か特定口座か?結論を言うと、どちらを選べばよいのかという判断は、税金の納め方によって変わってきます。税金を納める必要がない方は、一般口座で取引すれば余計な税金を納めずに済みます。売買の度に税引きして欲しい方は、特定口座を選ぶと年末調整の手間がなくなって便利です。

税金を納める必要の有無は、年間利益の金額によって変わってきます。以下に、株式に関わる税金の話を付け加えて解説していきたいと思います。

年間利益が少ないなら一般口座

2014年現在の税法では、株式の売買利益と配当利益に20%の税金が掛かってきます。株式の売買をするなら、この税金を納めねばなりません。

例外的なケースは、年間の利益が少ない場合です。年間利益が20万円を越えなければ、申告の義務が生じません。1月1日から12月31日まで、利益の総額がこの金額を越えなければ、届け出る必要がないのです。

一般口座を指定するケースは、この利益が少ないことが予想されるケースです。後述しますが、特定口座では源泉徴収で売買の度に税金を引かれるため、納める必要がない税金まで天引きされてしまいます。初心者で投資資金が少なく、年間の利益が少ないと判断できるなら一般口座を指定する方がお得です。

もっとも、一年が終わって年間の利益が20万円を越えてしまったら、納税の義務が生じます。その場合は、年末調整で税金を納める手間が生じます。

一部の人は、税金が天引で手持ちの資金が目減りするのを嫌って、あえて一般口座を選ぶ場合もあるようです。当然ながら、その場合は利益申告の義務が生じます。あえて手間を取る点、玄人向けの選択肢です。

手間を省くなら特定口座

ある程度の経験と資金がある個人投資家は、特定口座を選びます。税金が源泉徴収されて、年末調整をする手間が省けるためです。管理人もこちらを選んでいます。

繰り返しになりますが、年間利益のボーダーラインは20万円です。この金額を越えると申告の義務と手間が生じます。しかし、特定口座を指定していれば、証券会社が株式売買の決済をする度に税金を天引きします。申告の手間がなくなる訳です。

それでも申告する必要が生じるケースがあります。年間の売買のトータルがマイナスで終わった場合です。この場合、申告すると損失の金額を翌年まで持ち越すことができます。負けた金額だけ翌年の利益から差し引かれ、その分、翌年の課税額が少なくて済みます。

特定口座では売買の度に税金が差し引かれますが、ひとつひとつの売買の結果の中には、損失が出るケースもあります。その場合は、既に天引きされていた税金が損失金額に応じて還付されます。年の終わりにはトータルで20%の課税率になるよう、証券会社が調整してくれます。

総じて、税金の計算と申告の手間が省けることが特定口座を選択するメリットです。株式の利益は分離課税制度なので、他の所得の存在が判断を左右する要因になることもありません。純粋に、面倒を嫌うなら特定口座を指定した方が楽になります。

年の途中で変更は不可

最後に注意点を述べます。

注意点としては、一般口座と特定口座の変更は年の途中でできないことです。一般口座で年間利益が20万円を越えても、源泉徴収に切り替えることはできません。確定申告の義務が生じます。同じく、特定口座で損失を出したら、確定申告で損失を繰り越した方がお得です。ただし、こちらは権利であって義務ではありません。

なお、一般口座と特定口座を切り替える場合は、年の最後に証券会社に申し込みをする必要があります。証券会社によっては、年末に案内が届くこともあるようです。

このページの内容をまとめます。

  • 利益が20万円を下回ると決めたら「一般口座」
  • 一般口座でも20万円を上回ったら申告が必要
  • 年間利益20万円を上回り、税金の手間を省きたいなら「特定口座」
  • 特定口座でも年間トータルがマイナスで終わったら、申告して損失を翌年に繰り越すことが可能
  • 年の途中で一般口座と特定口座を切り替えることは不可能

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