年末12月はIPOラッシュ

今年も年末の足音が聞こえてきました。株式相場では、年末といえば株価の上昇トレンドが始まる時期です。外国人投資家の決算が一段落して、新規の注文が入るためです。ただ、対象銘柄が大型株に限るので、例年は個人投資家が好きな中小型株はあまり上がりません。

もっとも、今年2014年は少し変わった様相を呈しています。IPOラッシュです。例年、年末にIPOが続くことが多いのは通例です。しかし、今年は数が違います。昨年からのアベノミクスで、新興企業にとって、追い風が吹いているのでしょう。

と言う訳で、今日は12月のIPOラッシュと株式見通しを語りたいと思います。

  1. IPOラッシュ始まる
  2. 立会外分売で東証一部指定も
  3. 12月は大型株が主役
  4. 年明けへの見通し

IPOラッシュ始まる

12月に入り、IPO(新規上場)が相次いでいます。注目している方も多いと思います。以下は、今年2014年12月の新規上場銘柄一覧表です。

上場日予定IPO企業名
12/11スノーピーク
12/11弁護士ドットコム
12/11ビーロッド
12/12クラウドワークス
12/15テクノプロ・ホールディングス
12/16U-NEXT
12/16アトラ
12/16メディカル・データビジョン
12/16マークラインズ
12/17SFPダイニング
12/17竹本容器
12/17フルッタフルッタ
12/18アドベンチャー
12/18大冷
12/19サイジニア
12/22イーレックス
12/22インターワークス
12/24データセクション
12/24ヨシックス
12/24綿半ホールディングス
12/25エクストリーム
12/25カヤック
12/26MRT

数が多すぎるので、個別の銘柄に関する言及は割愛します。ただ、個人投資家にとっては、ともかく稼ぐチャンスです。IPOといえば、「公募価格での買い。上場後の初値売り。」で、200%超の利益を見込むことができるおいしい取引です。

もっとも、公募に当たるかどうかがキモになります。IPO銘柄は需要に対する競争倍率が高いので、はっきり言って、抽選に当たるかどうかの運任せの要素が大半です。上場後のセカンダリー相場で儲ける方法もあるのですが、管理人はまだノウハウが確率していません。

まあ、抽選に当たるかどうかという点では運任せではあるのですが、確率を上げる方法は存在します。そのひとつは、SBI証券を利用する方法です。というのも、IPOチャレンジポイントなる制度があり、このポイントを貯めることで当選確率を増やすことができるためです。詳細は、機会があれば、また別途記事にしましょう。

立会外分売で東証一部指定も

12月に入ってのもう一つの注目ポイントは、東証一部指定銘柄が出てきたことです。特に、立会外分売からの一部指定銘柄が2件出ています。

参考記事:東証一部の昇格条件と予想判断の基準

立会外分売と東証一部指定の関係については、上記の記事に詳細が書いてあります。簡単に言うと、立会外分売で株主数を増やせば、一部指定基準に適合しやすくなるという事情がある訳ですね。

今回の東証一部指定銘柄は、ベクトル(6058)とトレジャー・ファクトリー (3093)、M&Aキャピタルパートナーズ(6080)です。いずれも分売前は一部指定基準がグレーゾーンだった銘柄です。そこに立会外分売を実施すれば株主数と流動性が向上する訳で、分売と同時に一部指定候補として、チェックしておくべき銘柄でしょう。ただし、いずれの銘柄も今回はIR情報で一部指定を受けたことを明言してます。そのため、一部指定はサプライズにはなりませんでした。予想屋としては、公表してくれない方が面白いんですが。

ちなみに、前述の銘柄の立会外分売ですが、これは参加しなくとも構わないと考えました。理由は、分売圧力で株価が押し下げられるためです。

参考:立ち会い外分売の傾向と対策

一部指定の取引材料によって、株価は近い将来、上昇することでしょう。ただ、慌てる必要はなく、分売後の圧力で下がった所を拾えばよいと思います。実際、本日現在でも、株価は分売価格よりも下がっています。

ベクトル(6058)の立会外分売と株価推移

ベクトル(6058)の立会外分売と株価推移

12月は大型株が主役

ここまでは、比較的、大型未満の銘柄についてお話しました。ただ、12月というと、本来の主役は東証一部上場以上の大型銘柄が主役です。理由は、取引の主体が外国人投資家であるためです。

海外投資家が運用するファンドは、多くが10月末~11月末に決算時期を迎えます。このため、先月までは利益確定の売りが相次ぎました。ニュースを見ていると、あたかも株価大暴落のように言われていましたが、蓋を開けてみればなんのことはない。決算の数字を作り上げるための利益確定売りです。ごくごく自然な、例年通りの傾向です。

逆に、外国人投資家の手元には、今、あまり建て玉がありません。ここから買いにくる場面です。既に日経平均の上昇は始まっていますが、年末にかけて、さらに伸びる場面でしょう。我々も、年末最後の利益を叩き出すために、新規の建て玉を仕込むには良い時期です。

日経平均株価は年末にかけて上昇

日経平均株価は年末にかけて上昇

冒頭に書いた通り、海外投資家は多くの場合、大型株を好んで買います。「日経平均の先物買い→個別の銘柄を選別」というのが、彼らの基本的な取引です。これは、小型株だと彼らの資金を受け入れるだけのキャパシティがないためです。海外投資家が小型株に手を出すのは、長期保有を考えている場合に限ります。この時期に株価が上がるのは、海外投資家の好む大型株です。

来年度への見通し

以上の通り、IPOで始まる小型・中型銘柄から、海外投資家の好む大型株にまで言及しました。管理人は、基本的に大型株で利ざやを取って、IPOに少し資金を振り分けるというスタンスで取引を行おうと考えています。大体、12月一杯は、このスタンスでいけば間違いはないかなという予想をしています。

これが、新年が明けると事情が変わります。小型株に移行する予定です。理由は、皆さんを含む個人投資家の資金が流入するためです。ボーナスもらったら、読者の皆さんなら、きっと株を買いますよね。私も買います。

小型株の魅力は、値幅が大きいことです。この点、上昇を見込むことができるのなら、小型株の方が利益が上がります。幸い、景気も上向いてきたようですし、IPOラッシュで個人投資家の資金も増えることでしょう。年が明けたら、大型株から小型株に資金が移ると思います。個人的には、そんな見通しを持っています。

まあ、その前に衆議院解散と、年越しの大納会・大発会のイベントが来ますね。次回は、大納会・大発会のイベントについて、取引手法を語りましょう。

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