個別株CFDの活用方法とトレードアイデア

個別株CFDの活用方法とトレードアイデア

前回の記事では、通常の株式売買では空売りできない銘柄でも、CFD取引を利用すれば売り建てすることが可能だと述べました。ただ、それは個別株CFDの利用法のひとつに過ぎません。他にも、小量から取引可能な点や、レバレッジが利くというメリットがCFD取引にはあります。

以下にはCFD取引のメリットを活かしたトレードアイデアをいくつかご紹介しましょう。個別株取引が可能なCFD会社はIGマーケッツ証券です。

  1. 権利落ちのつなぎ売り
  2. 公募増資(PO)の空売り
  3. 値嵩株を小量で買う
  4. 外国株を手軽にトレード
  5. 禁断のハイレバ取引

権利落ちのつなぎ売り

配当などの権利日を過ぎると、権利落ちによって株価は下落する傾向にあります。本来であれば、空売り=両建てをして下落幅をヘッジしたいところです。しかし、空売り規制が掛かっているとヘッジすらすることができません。

そこでCFD取引を利用します。通常の証券会社を通じた現物株を保有。権利日の前に、CFDを使って同量の個別株指数を売ります。これで権利落ちによる株価下落をヘッジすることができます。現物株が値下がりしても、その分、CFDで利益が出ます。

株主優待のタダ取りにも応用したい所ですが、残念ながら該当する銘柄を見つけることはできませんでした。そこまでCFDの銘柄が充実していないのは残念です。こちらは、制度信用・一般信用を使って、うまくかわしたいところです。

公募増資(PO)の空売り

企業が公募増資や立会外分売の実施を発表すると、株式の希薄化を懸念して売りが急増することがあります。下落するイベントと判断すれば空売りで臨みたいところです。しかし、一方では規制が掛かって、空売り禁止になるケースが見受けられます。

その場合でも、CFDでは売り規制が掛からないケースがあります。これを利用すれば、希薄化懸念に乗じた空売りが可能です。もっとも、CFDでも売り規制が発動する例もありました。その場合でも、チャンスを失うだけで済みます。飽くまで可能性の話として頭に入れておいてください。

余談ですが、そこからさらにPOや立会外分売に当選すれば、両建てすることで割引率だけ利益を増やすことも可能です。ここら辺の事情は、以下の記事も参考にしてみてください。

参考記事:立会外分売で高勝率する小技

値嵩株を小量で買う

個人的に重宝するのがこちらです。大型銘柄の中にはずっと株式分割を行わず、一単元の購入価格が100万円前後する銘柄がちらほらあります。値嵩(ねがさ)株と呼ばれる銘柄です。例えばキーエンス(6861)や小田急電鉄(9007)、ニトリホールディングス(9843)などが該当します。いずれも人気銘柄ではあるのですが、一単元が手軽に売買できる金額ではありません。

値嵩株の悪い点は、なにしろ一単元当たりの購入価格が高額なことです。例え資金が足りていても、細かな買い増しや利益確定ができず、トレードが淡泊になります。そもそも資金の足りないトレーダーは買えません。それでも株価が乱高下することは少ないので、緩やかなトレードが可能です。

CFD取引を使えば、値嵩株でも1株から購入することが可能です。当然、少額の資金でも投資が可能となる訳です。例えば、小田急電鉄なら現在の株価で1045円です。これなら段階的な買い増しや利益確定も可能です。

尚、一般の株式売買でも単元未満株の扱いであれば、小口から買うことは可能ではあります。ただ、日中の任意の株価で約定しないなど、制約が多いのが難点です。長期保有向けのサービスで、CFD取引ほど機動的に売買できる訳ではありません。

外国株を手軽にトレード

同じく重宝するのがこちら。アメリカやヨーロッパ市場の株式を手軽に売買できる点です。IGマーケッツ証券の個別株口座では、日本市場も欧米市場もひとくくりで「個別株CFD」の分野に丸め込まれます。

外国株を取引できると何が便利かって、いちいち外国株の口座を開かなくてよいことですね。多くの証券会社で、外国株の売買は通常の日本市場の売買とは別口座扱いになります。口座を開く手間を惜しまないのは、普段から海外銘柄を手がける意志のある人だけでしょう。

ふとしたきっかけで海外の銘柄を売買したいとき。CFD口座を持っていると手軽にトレードに取り掛かることができます。最近では、管理人は排ガス規制の不正が露見した独フォルクスワーゲンを空売りしてみました。あらかじめ口座を用意しておいたので、機動的にトレードに取り掛かれましたね。

twitterでVW売り宣言

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禁断のハイレバ取引

大げさな題名を付けました。それくらい個人的にはハイレバ取引は資金管理の面でタブーだと思います。ただ、大きく利益が出ている状況ではリスクも限定されますし、ごくまれですが全力投球で臨みたい局面があるのも事実です。あえてハイレバ取引に触れましょう。

一般の株式売買では、信用取引を使っても掛けられるレバレッジは約3倍です。信用二階建てを使ったところで、せいぜい4倍というところでしょうか。この制限がCFD取引では緩和されます。レバレッジ5倍まで可能であるためです。

FX取引をされる方は、レバレッジ25倍に慣れているので、たかだか5倍と思うかも知れません。ただ、株式というのは為替と違って、2倍3倍が当たり前の世界です。レバレッジ5倍と言えども、ハイリスク・ハイリターンです。「ご利用は計画的に」とだけ言っておきたいところです。

以上、今回はCFD取引の活用方法をいろいろとご紹介してみました。まあ、実際問題として、原油や日経225指数を取引しながら、同じ口座で個別株を売買できるのが便利な所でしょうか。管理人も、最近は原油価格の動向やインデックスものにも目を光らせています。個別株の取引も考慮した結果、取り扱い銘柄の多いIGマーケッツ証券に落ち着きました。

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