日曜2限の株式講座

ストップ高やブームでは企業価値は上がらない

ストップ高やブームでは企業価値は上がらない
ストップ高やブームでは企業価値は上がらない

ある企業がニュースやテレビで取り上げられると、その株価銘柄が急騰する場合があります。例えば、最近ではデング熱で注目されたフマキラー(4998)。2日連続ストップ高と大幅高騰の日が続き、株価が一時的に元の水準の2倍になりました。しかし、株価高騰も束の間。ブームが去ると株価は元の水準へ。ブームに乗った人と高値掴みをした人で、明暗が分かれる格好となりました。

一方で、ストップ高を記録し、株価が落ち着いた後、再び、株価が上がる銘柄もあります。相場全体では、こちらのケースが多いと言えるでしょう。ストップ高を起こすだけの材料は、その後の株価高騰の材料になりえます。これを理由に、ストップ高銘柄を保有し続ける投資家の方も多いでしょう。

ストップ高で上がる銘柄、消える銘柄。その違いは何でしょうか。今回は、一時的な株価高騰で高値掴みをしないための心得をご紹介したいと思います。管理人の体験談を交えて、事例をご紹介します。

  1. ストップ高銘柄はホールドか売り抜けか
  2. デング熱でストップ高を起こしたフマキラー
  3. ストップ高後も高騰したミマキエンジニアリング
  4. 管理人が間違えた例

ストップ高銘柄はホールドか売り抜けか

株式を続けていると、運良くストップ高銘柄を掴む機会があります。最初からストップ高に注目して、新たに新規の買いを入れる方もいるでしょう。とかく、「ストップ高」という言葉自体が魅力的で、心に響きます。株式相場の華であると言えるでしょう。

しかしながら、どんなに高騰した銘柄でも、ある所で天井となるのが株式相場です。その機を逃せば、相場は暗転。折角の利益も水の泡です。高騰した銘柄というのは値幅が大きいが故に、利益確定にも神経を使います。

特に問題となるのが、一時的なブームや社会現象で値上がりした銘柄です。短期的に熱くなれば、冷めるのも早いもので、ストップ高を起こした銘柄でも、あっという間に株価は下がります。この点、売り時を逃すと、利益が出るどころか、損失を出してしまいます。とかくノリや勢い、ブームに踊らされて株式を買う行為は高値掴みのリスクと隣合わせのトレードです。

さて、ストップ高銘柄をスマートに売り抜けるには、どのような判断が必要なのでしょうか。その答えは、ストップ高を起こした材料にありそうです。特に材料が短期的なものか、長期的なものなのか? その違いを認識することが判断のポイントとなることでしょう。事例を挙げて説明していきます。

デング熱でストップ高を起こしたフマキラー

今年2014年の9月頃から、一つの社会問題がテレビや紙面を騒がせました。デング熱の話題です。国内でデング熱の感染者が出たということで、拡大感染(パンデミック)の危険性が囁かれ始めました。ある種のパニックです。

このデング熱。蚊が病原菌を媒体するということで、殺虫剤関係の銘柄が買われました。例えばフマキラー(4998)です。同社は誰もが知る殺虫剤の銘柄です。以下は、ニュースの前後で株価の値動きを捉えたチャートです。

フマキラー(4998)のデング熱ブームと沈静化
フマキラー(4998)のデング熱ブームと沈静化

ご覧の通り、何度かのストップ高と大幅高騰を起こしたものの、その後にブームは消沈。株価は元の水準へと戻りました。ストップ高と言えども、長期のトレンドは生まなかった訳です。高値で買ってしまえば、赤字は必須でした。こうしたケースでは機を見計らって、売り抜けねばなりません。中長期ホールドの選択肢だけはあり得ない銘柄でした。

株高と下落の要因になったのは、それぞれデング熱ブームとその材料出尽くしです。テレビのニュースで取り上げられると同時に、2,3日である程度パニックが収まった状況になりました。そこで株式ブームも去ったのです。典型的な短期型のストップ高銘柄でした。

このように、ストップ高となる材料であっても、根本的に事業に影響を与えなければ、結局株価は元の水準に戻てしまうのです。

ストップ高後も高騰したミマキエンジニアリング

ストップ高の材料が長期的に事業に影響を与えるケースもあります。むしろ、そのような材料が日の目を見たことで、改めて企業価値が見直されると言ってよいでしょう。優良企業がやっと注目された、事業が統合した、他社から高額のTOBを受けた等の材料がこれに当たります。

一つの例がミマキエンジニアリング(6638)です。この企業はもともとが堅実な製造業であり、さらに3Dプリンタの製造という将来有望な事業を抱えていました。この企業が立会外分売を実施して、始めて多くの投資家の目に触れることになったのです。隠れたお宝銘柄が、日の目を浴びた好例です。

ミマキエンジニアリング(6638)の立会外分売後チャート
ミマキエンジニアリング(6638)の立会外分売後チャート

上記は、立会外分売後の株式チャートです。立会外分売の後にストップ高を起こしました。往々にして立会外分売は売りの材料なのですが、事業内容をよく見たら優良企業であることが分かった訳です。JASDAQ市場の資本規模の小ささも手伝って、後は買い一辺倒の値動きとなりました。

注目すべきは、ストップ高ブームの後も株高が続いたことです。以下は、長期のチャートです。

ミマキエンジニアリング(6638)のストップ高とその後
ミマキエンジニアリング(6638)のストップ高とその後

ストップ高の後、株価は落ち着いた訳ですが、さらにその後も上昇曲線を描きました。理由はお分かりかと思います。株高の際に注目された材料が、事業成長と営業利益に長期的に貢献するものであったからです。

前述のフマキラーとの根本的な違いは、ストップ高の材料が企業価値そのものを高めるものであったか否かでしょう。フマキラーは、一時のブームで株高となりましたが、長期の企業価値を押し上げるほどには至りません。一方のミマキエンジニアリングは、営業利益が年々増加している経緯や将来有望である事業内容を踏まえて、長期的にも企業価値があると判断されたのです。立会外分売による流動性向上により、東証一部指定の目論見があることが分かった点も大きかったですね。

企業価値と営業利益、立会外分売と東証一部の関係については、以下の記事も参考にしてください。

管理人も間違えた例

最後に管理人の記憶に残る、非常に大きな失敗例をご紹介しましょう。忘れもしない3.11の際に起きた出来事です。3.11の東北沖地震と言えば、ほとんどの銘柄が株安となったことで知られています。ただ、そのような中でも、大幅に株価を上げた銘柄がありました。いわゆる「復興銘柄」です。

復興銘柄と言えば、インフラ整備や道路工事を手がける企業が連想されます。ただ管理人は、もう少し短期的な需要の方が重要であると考えました。テントやプレハブなど、当面必要な物資の需要インパクトが大きいと考えたのです。

そこで買ったのが、日成ビルド(1916)です。石川県金沢市でプレハブを製造するメーカーです。当時「プレハブ」のキーワードでGoogle検索をかけたら、確か2番目か3番目に出てきたんだと思います。検索キーワードとして注目されていたのか、「プレハブ 日成ビルド」の単語がサジェストされたことも印象に残っています。きっと、他に同じようなことを考えた人が多かったのでしょう。

日成ビルド(1916)東北地震の時のチャート
日成ビルド(1916)東北地震の時のチャート

結果は、3日連続ストップ高で、その後すぐに意気消沈。株価は一時的に約定単価の3倍にまで膨れましたが、なんと利益を出すことができませんでした。倫理観との葛藤で売り抜けることができなかったんです。当初は単に利益を出せばよいと考えていました。ただ、ニュースで事態が深刻になるに連れて「投資を通じて復興に貢献する」という変な義侠心が生まれてしまったんです。利益重視の株式相場でも大義名分は大切だと個人的には思うのですが、あいにく相場の神様はそうは思ってくれなかったようです。しばらくホールドを続けた挙げ句、最終的に損切りで幕を閉じました。

東北沖地震のような日本全体にインパクトを与える社会現象でも、株式は一時のブームで終わる可能性があります。とかく、材料が一時的なものか長期的なものなのか。そして、企業価値を長期的に向上させる要因になり得るのか。この見極めが肝要だと考えます。

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